ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想

読書感想:P.G.ウッドハウスの笑うゴルファー

図書館で借りた本。 ジーヴスシリーズがまだ残っているけど、箸休め的にウッドハウスの別の作品を読んでみた。 ゴルフもの。しかしまあ、実によくゴルフボールを人に当てるものだ。そこは現代的にはアウトだろう。そして女性が強い。ジーヴスシリーズでもそ…

読書感想:入門 世界の民族楽器

図書館で借りた本。怪書。 作者の若林忠宏はタモリ倶楽部とかにも出演したことのある民族楽器界隈では有名な人らしい。 3章から構成されていて、第1章が「楽器の種類分けって、どんな?」、第2章が「楽器の歴史」、第3章が「楽器はどのように伝わり拡がって…

読書感想:ベスト本格ミステリ2015

図書館で借りた本。時々思い出したように借りるベスト本格ミステリの2015年版。ワイダニットというか動機ものが多かった印象である。 ベスト本格ミステリ2015 (講談社ノベルス) 講談社 Amazon 最後の良薬:医者の話。どうもピンと来なかった。なんとなく、ネ…

読書感想:あれは子どものための歌

先日読んだ作品が表題作になっている明神しじまの連作短編集。 うーん、表題作が最高の作品だなぁ。 どうも他の作品は納得感というか解決感というか、そういうのが足りない気がする。 あれは子どものための歌 (ミステリ・フロンティア) 作者:明神 しじま 東…

読書感想:超高速!参勤交代

話題になっていた映画の脚本家が書いた同名の小説。映画とは別物らしい。超高速!参勤交代が読みたかったのであって、チャンバラや忍術や色恋沙汰が読みたかった訳ではない。二日目100ページあたりで、超高速参勤交代のネタはほぼ出尽くして、むしろ時間が余…

読書感想:ベスト本格ミステリ2014

図書館で借りた本。時々思い出したように借りるベスト本格ミステリの2014年版。 水底の鬼:ミステリというより、俺の考えた最高の民俗学的解釈みたいな話。面白くない。 ボールが転がる夏:密室もの。語り手と探偵のキャラクター描写に無駄に枚数を使ってい…

読書感想:電動王国

俺の読書感想は小説とは限らないのだ。 これは図書館で借りたなつかしの電動おもちゃの話。 www.ohmsha.co.jp最初がリモコン(有線)の戦車で、これ持ってたと思い出した。 どこのなんていう戦車かも覚えていないが、有線で左右のキャタピラだけ動かせるもの…

読書感想:あなたへの挑戦状

図書館で借りた本。阿津川辰海と斜線堂有紀の競作ミステリ。 私にとっての最大の謎は「あなたへの挑戦状のカードがなぜ封筒に入れられて綴じ込みになっていたのか」ということであった。これ、図書館の本なので、「付録は元通りに入れておいて下さい」という…

読書感想:ことばと国家

強い本だ。面白い。 アジアのお箸さんの記事を見て図書館で借りた。 jkcv.hatenablog.com 薄い新書なのに内容が多過ぎて感想が書ききれない。 丸谷才一批判、言語学の立場からのソシュール引用などがあるが、基本的には純粋な言語という考え方に対する批判。…

読書感想:ジーヴスと朝のよろこび

これは傑作。伏線がピタリと嵌まる。伏線というか、一連のトラブルが次のトラブルを招き、計画は失敗しつつも変な方向でうまくいったりする。素晴らしい。 陰の主役は一日一善のクソガキであるエドウィン。毎回いろいろなクソガキが出てくるので、エドウィン…

読書感想:逆転の切り札

図書館で借りた法廷ミステリーアンソロジー。 「逆転の切り札」はアンソロジーとしてのタイトルで、このタイトルの作品がある訳ではない。 実は阿津川辰海で検索して借りたのだが、阿津川辰海の作品は読んだことがあるものだった。 六人の熱狂する日本人:阿…

読書感想:ウースター家の掟

天才執事のジーヴスシリーズ。 ウースター家の掟 (ウッドハウス・コレクション) 作者:ウッドハウス 国書刊行会 Amazon バーティの行動原理であるウースター家の掟とは訳者あとがきによると 「ウースター家の掟」の第一条は「汝、友を落胆させるべからず」で…

読書記録:スコアアップボウリング

図書館で借りたが、俺にはまだ早い本だった。 アベレージ200を目指すなんてとんでもない。 そして俺にはローダウン投法なんてのもとんでもない。 だが、後半に載っている最新のボールにはどうしても興味を引かれる。最新の表面素材とか非対称コアとか。 ボウ…

読書感想:サンキュー、ジーヴス

ジーヴスシリーズの長編。 いつもと同じキャラで同じようなドタバタを繰り広げる。面白い。差別語が気にならなければ、お勧めしたい。 今回は新キャラの巡査と辞職したジーヴスの代りに雇ったブリンクレイがひどい。ポーリーンのすることも大概である。 相変…

読書感想:プロボウラー見聞録

「24人のプロボウラーが語る」という副題の通りに、24人のプロボウラーが自伝的な語りやら、自分のスタイルやらをバラバラに語る本。まとまりがない気がするが、何人ものプロがアマチュアの人向けに「自分のスタイルで投げていい」と言っているのがよい。 そ…

読書感想:ボウリング パーフェクトコントロール

読書感想というか、図書館で借りた本の記録だな。 これからボウリングに取り組むために借りてみた。 取り合えず借りてみただけだが、「コンディション調整に逆の腕で投げる」とか書いてあってなるほどと思った。ボウリングは右にばかり重さが偏るから体が歪…

読書感想:中国語とはどのような言語か

アジアのお箸さんの書評を見て読んだ本。 jkcv.hatenablog.com 現代中国語の文法絡みの本である。中国語口語文法と言ってもいい。ただし、口語と言っても会話文だけではなく、小説文も対象である。 本書の中でも「小説文」という用語が使われている。これは…

読書感想:蒼海館の殺人

葛城輝義シリーズかな。紅蓮館の続き。探偵がなかなか捜査してくれない。 嘘が分かるというのは探偵の能力だがあまりストーリーには関係ない。 今回はあやつり殺人か、犯人を蜘蛛と呼んだりするので「絡新婦の理」っぽい感じかも知れない。 なんだかあまり、…

読書感想:でかした、ジーヴス!

ジーヴスシリーズ。 上流階級の金持ち連中がお馬鹿なことをするシリーズ。 途中の1冊を飛ばしたのではっきりしないが、主人公の両親が登場しない点がある種の日本アニメと似ている。叔父さんや叔母さんはたくさんいるのに親は生きているのか死んだのかも不…

読書感想:密命 巻之四

密命シリーズ第4巻。裏表紙のあらすじには金杉惣三郎が死んだかのように書かれているが、本文ではすぐに死んでないことが明かされる。 金杉は一度京都に行ってから東海道を江戸に向かいながら武芸者と果たし合いを続ける。今回はこの果たし合いが中心の話。…

読書感想:それゆけ、ジーヴス

図書館で借りたジーヴスシリーズの短編集。 このシリーズの楽しみ方が分かって来て、面白く仕方がない状態である。 バーティがジーヴスを雇った時の話から、前の作品で出ていた、バーティが女子高で講演した話まで。 現代人からすると、差別的と感じられる表…

読書感想:中世への旅 騎士と城

なんか少し前にネットで話題になっていたような、そんな気がして図書館で予約したのだが、意外に古い本だった。 なろう系ファンタジーならともかく、まじめな中世ヨーロッパ風ファンタジーなど書く気はないので、資料として読んだわけではない。 騎士物語の…

読書感想:戦後初期日本SFベスト集成1

古本市で買った本。1978年発行。 1945年から1960年までの間に発表された日本SF短編のアンソロジー。短編なのでサクサク読める。よい。 星新一「収穫」 この作品集の中ではかなり異色で星新一らしいが、星新一の作品全体の中ではあまり星新一らしくない気がす…

読書感想:比類なきジーヴス

図書館で借りた本。 前に読んだ本ではジーヴスの年齢が書いていなくて、勝手に老執事だと思っていたのだが、この作品からするとどうも若い男性のようだ。そして訳者あとがきによるとジーヴスは執事(butler)ではないという。valetであるというが、どうもふさ…

読書感想:天使のテディベア事件

図書館で借りた本。テディベア好きのおしどり探偵もの。 事件の舞台がテディベア・ショー。これはどうもテディベア版の同人誌即売会のようなものらしい。手作りテディベアの即売会。ただし、審査員がいて優秀作品の発表とかもある。 テディベア要素は十分に…

読書感想:よしきた、ジーヴス

図書館で借りたユーモア小説。 読む順番を間違えた。最初にこれを読むべきではなかった気がする。ジーヴスシリーズは、執事のジーヴスが様々なトラブルを解決する話なのだが、この作品はちょっとちがう。 語り手であり、ジーヴスの主人であるバーティ・ウー…

読書感想:紅蓮館の殺人

図書館で借りた本。パズル要素の強いパズルミステリー。 嘘が分かる探偵だが、それはきっかけで推理自体はその能力に依存しない。 現役探偵と元探偵の二人の探偵を通して、探偵とは何かを問う。と言ってもパズルミステリーにおける探偵とは何かということ。…

読書感想:ザリガニの鳴くところ

図書館で借りた本。 ヘッポコ保安官のトンチキ捜査と、少女の成長と湿原の自然の話。実のところ、ミステリー部分は売るために取ってつけたようなものだろうと思いながら読んだ。 重大なネタバレ:レイプシーンはあるが未遂に終る。殴るなどの暴行はある。 保…

読書感想:令和版 全訳小説 伊勢物語

図書館で借りた本。全訳小説という言葉に引っ掛かりを覚えたが、読んでみたら「全訳小説」だった。 全訳というのは、伊勢物語の百二十五段全部を現代語に訳しているという意味である。伊勢物語の他の現代語訳には百二十五段全部を訳していないものがある。 …

読書感想:名探偵は嘘をつかない

阿津川辰海のデビュー作。複雑すぎて難しい。 とはいえ、デビューというのは作家最大のハードル。出し惜しみして、デビュー出来ずに後悔するよりは、詰め込みすぎるくらい詰め込んだ方がいい。クリスティのミステリデビュー作の「スタイルズ荘」も詰め込み過…