図書館で借りた本。
先日読んだ「迷宮課事件簿」が倒叙ミステリーと言いながら、ちょっと俺の期待とは違っていたので、最近の倒叙ミステリーを読んでみようと思って検索したら引っかかったもの。
事件を未然に防ぐ探偵というのはよい。ちゃんと倒叙ミステリーにもなっている。しかし、トリックについてはやや大味な気がする。
探偵は事件を未然に防ぐけど、いい人ではなくてかなり嫌な奴である。事件を未然に防いでいるのに、最後には一同の前で推理を披露している。自己顕示欲は強い。書いてあるけどね。相手を屈服させる快感に浸ってしまうタイプ。
しかし、事件が起こっていないのだから、警察の出番がないのは当然であり、探偵が活躍する必然性はある。連続殺人未遂事件。未遂なので同じ被害者が繰り返し殺人の対象になる。
いかにもミステリにありそうな親族構成でありながら、なぜか隠し子が一番の金持ちという逆転がある。どうやって財産を築いたのかは謎だし。
そしてこれは百合かも知れない。
面白く読んだが、倒叙ミステリを堪能したという気にはならなかった。