ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想

読書感想:数学史の小窓

図書館で借りた本。2015年発行。 数学セミナーの連載が元になっているようで、甘く見ていると結構難しいところがあるが、面白かった。古代の計算や作図の例があるので、それを辿ってみるのも面白いだろう。 前書きにも書いてあるが、この本の新しいところは…

読書感想:トコトンやさしいフッ素の本

図書館で借りた本。 科学関連の本は小説よりも気楽に読める。 しかしこれはちょっと物足りなかった。個別のフッ素化合物について身近なところでどう使われているかという例が1ページごとに記述されている。左側はイラスト。 フッ素の特異性はもちろん量子論…

読書感想:ガラスの箱を打ち砕け!

ジャック・ヴァンスの冒険の惑星シリーズ第3巻。 表紙に描かれている剣を持った人が誰だか分からない。たぶんディルディル人だと思うんだが、剣を持っているような重要な人物は思い当たらない。 今回は今までで最も冒険らしい。つまり命がけのアクションシー…

読書感想:ジーヴスとねこさらい

図書館で借りたジーヴスシリーズ。 これが国書刊行会のジーヴスシリーズ最終巻だが、ひとつ飛ばしてしまったのでまだ読んでいない本が残っている。 胸にぶつぶつ(発疹?)が出来たバーティが田舎で保養するために、ダリア叔母さんが滞在中のメイドン・エッ…

読書感想:虚数と複素数から見えてくるオイラーの発想

図書館で借りた本。数学の好きな高校生くらいが対象のようだ。 オイラーの公式 についての解説から、微分方程式に入ってバネの振動、電気回路、 シュレディンガー方程式へと応用していく流れ。 高校生程度の知識を前提としているので全然厳密ではない。 微分…

読書感想:録音された誘拐

図書館で借りた本。よかった。 コロナ後の世界。2022年8月出版の本。あれっ、なんか今年くらいのコロナの状況が描写されていると思ったが、これは阿津川辰海がコロナ明けの近未来を予測して書いたミステリであった。 コロナはそんなに事件の謎には絡んでこな…

読書感想:あなたの小説にはたくらみがない

図書館で借りた本。 「超実践的創作講座」という副題がついているが、「超実践的」ではないと思う。 編集者の書いた小説の書き方の本なんだけど、対象読者のレベルが高い。俺の印象では、新人賞の最終選考に残るような書き手向けの本。(図書館で借りたので…

読書感想:怪盗ニック対女怪盗サンドラ

図書館で借りた怪盗ニックシリーズ。 今回の短編集は白の女王ことサンドラ・パリスとの絡みの事件。サンドラはニックと同様に泥棒なのだが、犯行現場に「白の女王 不可能を朝食前に」と書かれたカードを残していくのだ。まさに怪盗らしい怪盗である。 鏡の国…

読書感想:「研究室」に行ってみた。

図書館で借りた本。 なんか、Youtuberっぽいタイトル。というか、俺はいまアニメ「キラッとプリ☆チャン」の配信を見ているので、プリ☆チャンの「やってみた」っぽい。 しかし内容は「研究室に行ってみた」というよりも、「すごい研究者に会ってみた」という…

読書感想:キャス王の陰謀

図書館で借りた本。ジャック・ヴァンスの冒険の惑星シリーズの2巻。 表紙はスペオペらしい半裸の美女。 さて、古いSFだし、ネタバレしてもよいだろう。 なんと、この美女が半裸でいるシーンは本文中にない。上半身裸で腕になにか布を身につけている男性ダン…

読書感想:ぼくのミステリ・クロニクル

図書館で借りた本。 伝記のコーナーにあったけど、著者の戸川安宣とは誰なのか全然知らなかったのだが、ちょっと見たら東京創元社の編集者だということなので借りてみたのである。 これが不思議と面白いのであった。不思議というのは、俺は創元ではミステリ…

読書感想:お呼びだ、ジーヴス

図書館で借りたジーヴスシリーズ。 今回はなんとバーティ・ウースター君が登場しない。ガイ・ボルトンとの舞台の共同脚本を元にしたウッドハウスの小説らしい。 やはりバーティが登場しないと寂しい。 今回のお間抜け役はローリー・カーモイルで、その場その…

読書感想:怪盗ニックを盗め

図書館で借りた怪盗ニックシリーズ。 今回怪盗ニックが盗むものは、プールの水、教会のオルガン、クリスタル(ガラス)の王冠、ワシの像、ペニー硬貨、鏡、雪、木のたまご(かがり玉、布のほころびをつくろう時に穴の下にあてがう道具)、シャーロック・ホー…

読書感想:NETFLIXコンテンツ帝国の野望

図書館で借りた本。 面白かった。この本の出版は2012年なのである。つまり、この本で描かれているNETFLIXは主にDVDの宅配(郵便)レンタル業者である。ネットで注文して郵便でDVDが届き、見終わったら郵便で返送するという仕組みのレンタル業が主体。最後の…

読書感想:怪盗ニック登場

図書館で借りた本。 こんな面白いシリーズがなんで有名じゃないんだと思ったけど、ハヤカワミステリから早川ミステリ文庫に入っているので、俺が知らなかっただけで十分有名なシリーズだったようだ。 毎回登場するグロリアとの関係は、すでに1話から一緒に住…

読書感想:怪盗ニックの事件簿

図書館で借りた本。 間違えて怪盗ニックシリーズの第三短編集を最初に借りてしまった。 これは面白い。ニックは無価値なものしか盗まない。一般的な価値が少ないものという意味である。自分の趣味で盗むのではなく、2万ドルの報酬で依頼に従って盗む。途中で…

読書感想:トコトンやさしい膜分離の本

図書館で借りた本。 いやあ結構知らないことが書いてあって面白かった。 1960年のロブとスリラーヤンによる非対称膜作成法がエポックメイキングだったのだな。これは一種類の素材に微細な穴の空いた薄い部分と粗い穴の空いた支持部分を作ることで丈夫で微細…

読書感想:偵察艇不時着!

図書館で借りたジャック・ヴァンスの「冒険の惑星」シリーズの1巻め。1968年発行。 最近の本と違って、字が詰まっていてなんか読みにくいなあと思っていたが、半分くらい読むと慣れたのと背景とかが分かって来て俄然面白くなった。 まあ、スペースオペラであ…

読書感想:日本ガチャガチャクロニクル

図書館で借りた本。 コップのフチ子も掲載されているが、主に古いガチャガチャについて。中身だけでなく、ガチャガチャの機械や台紙なんかも掲載されている。 古いものはチープな感じがするが、たぶんマニアにはたまらないものなんだろう。美少女フィギュア…

読書感想:がんばれ、ジーヴス

図書館で借りたジーヴスシリーズ。 いつものトダバタ。なんかもう大いなるマンネリというか。でも小説はバーティの一人称の語り口も面白いので、それだけでも読める。映像的なドタバタとは別の面白みがある。 シリーズ初登場である探検家のプランク少佐もじ…

読書感想:ふしぎルックス珍獣ずかん

図書館に行ったついでに適当に見繕って借りた本。 全ページ写真がついているのがこの本のよいところ。それから学名・分類・分布が載っているのもよい。 一方、体長は載っていたり載っていなかったりと適当。写真の動物に漫画の吹き出しのような形で適当なセ…

読書感想:堕天使拷問刑

図書館で借りた本。 ミステリだというのはネタバレになるのかならないのか。 ミステリだとすると悪魔関係の描写はミスディレクションなのか。などと考えながら読み始めたけど、そんなに暗い話じゃなくて、もしかして青春小説?とかも思ったりした。 飛鳥部勝…

読書感想:海の教科書

図書館で借りた本。 2016年の出版なので、震災にも触れている。 まさに教科書という感じでつまらないと思っていたら、後半面白くなった。 海洋観測の歴史が浅いし、金もかかるのでまだよく分かっていないことが多い。もちろん、最近の観測で分かってきたこと…

読書感想:ジーヴスの帰還

原題は「Jeeves in the Offing」 訳者は休暇よりもそこからの帰還に焦点を当てたと書いているけど、でもその部分に当たる章題の「ジーヴス、いざ鎌倉」はないんじゃないかと思う。 だいたいこのシリーズは恋愛絡みのドタバタで、いつもは痴話喧嘩で別れたカ…

読書感想:あらすじで読む名作歌舞伎50選

図書館で借りた本。 見開きで1作品を紹介しているが、あらすじは半ページくらい。舞台のカラー写真が半ページ。あとは「役者の花」と「みどころ」と「芝居の季節」。 基本的に歌舞伎は知らないので、あらすじを読んでもほぼ分からない。だいたい紹介されてい…

読書感想:二人で泥棒を

アルセーヌ・ルパンよりも以前に出版されて、欧米では広く知られている怪盗紳士ラッフルズの話。 しかし、これを読んでみると、なんとBLである。冒頭の読書の栞という欄でもボーイズラブと書いてある。BLシーンがあるわけではないが、悪魔的な魅力のあるラッ…

読書感想:ジーヴスと封建精神

これまでと同様に、婚約カップルの痴話喧嘩に巻き込まれるバーティと思いきや、今回はやや新しいパターンの終わり方を見せた。 前回登場した小道具のブラックジャックは今回も登場してその威力を発揮するのであった。 そして張られた伏線は回収されてきちん…

読書感想:証拠が問題

先日読んだ有栖川有栖の本の中から、この本を図書館で借りたのであった。 原題は「Additional Evidence」。裏表紙の紹介文で「意外な真相」って書いてあるのが最大のネタバレではないだろうか。 殺人事件で一番意外な真相は事故死だが、それをやると読者が怒…

読書感想:迷宮逍遥

なんとなく図書館で借りた本だった。 これは著者の有栖川有栖がいろいろな本の解説として書いた文とかを集めた本。ほとんどの文にネタバレがあるので本編を先に読むようにと書いてある。 のだが、それを無視して読んだ。ネタバレと言っても、解説を先に読ん…

読書感想:犯罪の中のレディたち(下)

前に図書館で借りた本の下巻。 露骨なネタバレはないつもりだが、露骨ではないのはあるかも。 犯罪の中のレディたち〈下〉―女性の名探偵と大犯罪者 (1979年) (創元推理文庫) Amazon マッケンジー事件:単発の短編だが主役のグウェン・リースは作中ですでに有…