ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想

読書感想:100文字SF

図書館で借りた本。 北野勇作がtwitterで書いていた作品からの書籍化。 ほぼ100文字のSF……というか、幻想的私小説というか。俺の印象ではなんとなくつげ義春の漫画に近い気がする。 1作100文字だから、サクサク読めるかと思ったが、そうではなく結構続けては…

読書感想:偉大な、アマチュア科学者たち

図書館で借りた本。 途中まで読んで面白くなかったので返してしまった。 だいたいアマチュア科学者とプロの科学者の分け方も明白じゃないし。 偉大な、アマチュア科学者たち 作者:ジョン マローン 主婦の友社 Amazon

読書感想:淑女怪盗ジェーンの冒険

図書館で借りた本。 短編集かと思ったら、怪盗フォー・スクウェア・ジェーンの一連の事件と正体までを描いた中編小説だった。最初はあまりにもあっけなく事件が終ると思ったが、正体とか復讐とかそういう方が話の中心だったようだ。 変装の名人みたいな描写…

読書感想:熱学思想の史的展開 第4部

カルノー登場。そしてジュールとケルヴィン卿も。 個人的なことであるが、私は高校の時にカルノーサイクルのP-V図が全然分からなかった。というのも、私の頭の中には蒸気機関のイメージがあって、つまり液体の水が蒸気になってそれがまた冷やされて水に戻る…

読書感想:よくわかる電磁波化学

図書館で借りた本。面白かった。 マイクロ波化学。電子レンジ的に加熱する方法。触媒(だけ)を加熱することで反応が促進されるとか。熱反応だけど、いろいろピンポイントで熱したり出来るところで応用が利く。磁界変動で磁性体を熱することも出来る。 テラ…

読書感想:熱学思想の史的展開 第3部

一度返したけど、また図書館で借りた。 第3部 熱量学と熱量保存則 ラプラス(ピエール=シモン・ラプラス)登場。 だがその前に、クロフォードの動物熱理論というのがある。これは、恒温動物の体温維持のための熱の発生が呼吸によるものであるという考えであ…

読書感想:中国古代の貨幣

図書館で借りた本。 前半は面白く読んだのだが、後半は蛇足のような気がした。 「貨とは金・銭・布帛」とあって、無知な俺は知らなかったけど、麻布や絹布が貨幣として使われていたというあたりまでは面白かった。 ただ後半の人々の暮らしみたいな部分は、作…

読書感想:真夜中の探偵

図書館で借りた本。 ミステリだと思って読み始めたら、なんかミステリじゃないっぽい、かと思ったらやっぱりミステリだったみたいな感じだった。 最初の方で日常の謎みたいなことがほんのちょっとあっただけで、なんと殺人事件が起こるのは(文庫版じゃなく…

読書感想:マックス・ヴェーバーの犯罪

図書館で借りた本。面白い。 副題のー『倫理』論文における資料操作の詐術と「知的誠実性」の崩壊ーに書かれている『倫理』というのは、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』のことである。この本の中で『倫理』と言ったらそれのことである。 こ…

読書感想:熱学思想の史的展開 第2部

図書館で借りた本。 第1部を読んでいる時には、そんなに感じなかったけど、この本はトマス・クーン的な科学史の側面もある。 熱学思想の史的展開1 ──熱とエントロピー (ちくま学芸文庫) 作者:山本義隆 筑摩書房 Amazon 特に印象に残ったのが、質量保存則に…

読書感想:聖者に救いあれ

図書館で借りた本。聖者じゃなくて修道僧だけど、しばしば神父さんと呼びかけられる。ファーザーじゃなくて、ブラザー。 聖者に救いあれ (1982年) (角川文庫) 作者:ドナルド・E.ウェストレーク 角川書店 Amazon そして俺にとってウエストレークはドートマン…

読書感想:精霊を統べる者

図書館で借りた本。2022年のネビュラ賞受賞作品らしい。 読み始めての印象は、日本の劇場版アニメみたいだというものであった。主役の3人の女性がアニメの戦闘美少女みたいなのだ。 主役のファトマはエジプトの錬金術・魔術・超自然的存在省のエージェントの…

読書感想:エルギスキへの旅

森下一仁先生の本。 「エルギスキ」へと向かう旅という意味であって、「エルギスキヘ」の旅ではない。SFマガジン1991年6月号から1994年12月号まで間欠的に連載された後、長らく書籍化されていなかったが、今回クラウドファンディングで書籍化された本である…

読書感想:トポロジカル物質とは何か

図書館で借りた本。 なるほど分からん。 どうも著者の一般向けの説明と専門的な知識の間のギャップに俺の半端な知識が嵌まってしまって、著者の説明が厳密ではないことは分かるのだが、それが実際に専門的な表現ではどうなるのかが分からんので気持が悪い。…

読書感想:熱学思想の史的展開 第1部

まだ第1部しか読んでいないのだが、ともかく情報量が多いので最後まで読み終った頃には第1部の感想を忘れている可能性が高い。そこで第1部だけで感想を書いておく。(ネタの水増し) まず、私が熱力学の本を読もうと思ったのは、量子論のプランク定数の絡み…

読書感想:証明の探求

図書館で借りた本。 なかなかバラエティに富んだ内容で面白かった。 まず、著者の旅行記というか旅行エッセイというか、まえがきからそういうのが書かれている。 証明の探究 増補版 (共通教育シリーズ) 作者:日比孝之 大阪大学出版会 Amazon それから、中学…

読書感想:マックス・ヴェーバー

図書館で借りた本。大変面白かった。 この本の内容 著者によるとこの本はマックス・ヴェーバー研究の「伝記論的転回」であるという。基本的にはマックス・ヴェーバーについての批判的な本のように思える。そして、これは伝記のように年代順にマックス・ヴェ…

読書感想:連城三紀彦レジェンド

図書館で借りた本。 叙述トリックの名手とかいう話を聞いて検索して借りたのである。 表紙に綾辻行人、伊坂幸太郎、小野不由美、米澤穂信編って書いてあるけど、それぞれ1作ずつ出し、それ以外も綾辻行人が選んでまとめたということのようだ。 確かに叙述ト…

読書感想:カラスの教科書

図書館で借りた本。 タイトルに教科書と付いているが、堅い本ではなくエッセイに近い。また厚さも3.5cmと分厚いが、紙質の影響であり、ページ数は400ページ。しかも311ページからはQ&Aとなっていて質問が大きなフォントで1ページに解答も大きなフォントで1ペ…

読書感想:キディ・グレイド・コンクルージョン

図書館で借りた本。 ファン向けのメディアミックスシリーズ解説本。 ESメンバーの一枚イラストでデクステラとシニストラが完全にBLになっている。 それはともかく、こうして本になったものを見ると設定過剰という印象である。そこがよい。SFとしてもナノマシ…

読書感想:世界の三猿

図書館で借りた本。 見ざる、言わざる、聞かざるの三猿の土産物が世界中で売っていることから、三猿の起源は日本ではないかも知れないと著者は考えた。 世界の三猿: その源流をたずねて 作者:飯田 道夫 人文書院 Amazon 庚申待あたりまでは面白かったが、ア…

読書感想:消えた神父を追え!

図書館でなんとなく借りた本。 1959年のBOACスチュワーデス殺人事件についての本である。 この本は神父が犯人だという前提で書かれている(ただし、犯人とは書いていなくて重要参考人という呼び方をしている)のだが、俺としては神父はシロという印象を持っ…

読書感想:トコトンやさしい石炭の本

図書館で借りた2009年出版の本である。なぜ今石炭の本を読むのか。わからん。 この本でも当然地球温暖化の問題や二酸化炭素排出の問題は取り上げられている。そうは言っても、2035年までに石炭火力発電を全廃するとG7で決議されるとは、まさか著者たちも思っ…

読書感想:願い星、叶い星

図書館で借りた本。 先日、異世物語で「昔を今になすよしもがな」ということを書いて、この本をアフィリンクとして貼ったのだが、実は作品自体は読んだことがなかった。吾妻ひでおのパロディで見ただけなのである。なので読んでみようと思ってこの本を借りた…

読書感想:「日本スゴイ」のディストピア

図書館で借りた本。途中まで読んだけど、特に面白くもないし、資料的にも意味がなさそうなので、もう図書館に返すつもり。 今もあるかもしれないけど、かつて嫌韓本、嫌中本が本屋で平積みになっていたことがあった。韓国や中国を見下して嘲笑う本である。そ…

中国名言集:蒼頡はじめて文字を作る

蒼頡は(当然ながら)実在の人物ではなく、漢字の意味としては「頭のかっちりと充実したかしこい創作者」という意味だと藤堂先生は言う。 農耕には占いが伴い、占いの結果を記録したものが文字であり、巫者と記録係が官僚の始まりだという。文字とは官僚支配…

読書感想:「量子化学」のことが一冊でまるごとわかる

図書館で借りた本。 タイトルを見て、「そんなわけないだろ!」とツッコミを入れてしまう。 とは言え、化学が量子論に基づいていることは明らかであり、高校の化学の知識(しかも俺の知識は何十年も前のもの)では十分ではないので、量子化学のやさしい本を…

読書感想:立川文庫の英雄たち

図書館で借りた本。昭和55年発行。いやあ、面白かった。 はてブで、「今の学生は忠臣蔵も知らない」というトゲッターに俺は「今の若者は真田十勇士も知らない」とコメントしたのだが、実は俺も真田十勇士は知らないのであった。 立川文庫の英雄たち 足立巻一…

読書感想:ブラインドサイト

前に上巻だけ読んでちょっと書いたけど、下巻も読んだのでネタバレで感想を書く。 ブラインドサイト〈上〉 (創元SF文庫) 作者:ピーター ワッツ 東京創元社 Amazon ブラインドサイト〈下〉 (創元SF文庫) 作者:ピーター ワッツ 東京創元社 Amazon 最大の不満は…

中国名言集:文字あらわれて鬼すすり泣く

図書館で借りた、藤堂明保先生の「中国名言集 上」の目次の最初の項目。中国名言集というタイトルだが、かなり藤堂明保先生の意見が表れていると思う。 だいたい俺は人に「先生」などと付けないのだが、例外的に先生と呼ぶ人はいる。そしてこの本を読んだ瞬…