ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:証明の探求

図書館で借りた本。

なかなかバラエティに富んだ内容で面白かった。

まず、著者の旅行記というか旅行エッセイというか、まえがきからそういうのが書かれている。

 

 

それから、中学受験算数の問題とか大学入試問題の変わったものとかが載っている。受験算数ではひし形の面積の公式を正方形で使うという問題があった。正方形はひし形の一種なので、これは正しいが、受験算数以外ではまず使わないのではないか。

大学受験問題では一番短い数学の問題というのがあった。大学入試の数学の問題の中で一番短いという。記号も含めて読みをひらがなで数えると16文字だという。

あとはタイトルの通りというか、背理法数学的帰納法の話である。背理法の所では王様が賢者たちに赤白の帽子をかぶせるというパズルも載っていた。また、背理法でよく使われるのは、存在しないことを証明する際に、存在すると仮定しそのなかで一番小さい(大きい)ものをaとかbとかにするという方法が挙げられていた。

そして著者の専門分野と関係のあるらしいピックの公式の紹介と証明が載っている。平面図形で多角形の頂点がすべて格子点(座標が整数)の多角形の面積に関する定理である。高校生でも証明は分かるはず。でもちょっとややこしいところもある。

なかなか面白いが、ちょっと癖のある著者で脱線というかエッセイのようなものが時々混ざるのである。

コミック版もあるようだ。増補前のものはコミック版と重複はなかったようだが、増補版はコミック版の内容も入っているとのこと。