図書館で借りた本。
タイトルを見て、「そんなわけないだろ!」とツッコミを入れてしまう。
とは言え、化学が量子論に基づいていることは明らかであり、高校の化学の知識(しかも俺の知識は何十年も前のもの)では十分ではないので、量子化学のやさしい本を読んでみたのである。
というか、放送大学の講義で一応HOMOとかLUMOとかやった記憶はあるのだが、その名前しか覚えてないという有り様であった。
この本はなんというか、丁度俺に合っているというか、図式で示すことが化学に合っているからか、図が多く数式が少ないにも関わらず、その図からいろいろ腑に落ちるという素晴らしい本である。
ちゃんとフロンティア軌道理論まで行く。というか光反応と熱反応で生成物のシス・トランスが変わるということをうまく図解で示していて非常に面白い。日常的な事との関連では、漂白剤でなぜ色が落ちるのかということが説明されている。高校の頃の知識では炭素の二重結合は不安定みたいな印象があったけど、環状でなくても共役系は安定しているのだなぁという実感が得られた。
化学は量子論、みんなこの本を読んで錬金術的な化学から量子化学にステップアップしよう。
図書館で借りたけど、買って手元に置いた方がよさそうだ。