図書館で借りた本。途中まで読んだけど、特に面白くもないし、資料的にも意味がなさそうなので、もう図書館に返すつもり。
今もあるかもしれないけど、かつて嫌韓本、嫌中本が本屋で平積みになっていたことがあった。韓国や中国を見下して嘲笑う本である。それに比べれば、日本スゴイ本なんて単なるお国自慢だからかわいいものである。
一方、このディストピア本は、戦前戦中の資料に基づいているものの、日本スゴイと言っている現在の人たちを著者の早川タダノリが嘲笑うという形式になっている。
俺が思うには、戦前戦中の日本スゴイという思想本は、大政翼賛の流れに乗って出版されたものに過ぎないだろう。政府を批判すれば捕まるし、大政翼賛の流れに乗れば推薦されたりして本が売れる。機を見るに敏というやつである。
俺も日本スゴイという現在の流れが好きな訳じゃないけど、戦前戦中という状況では、言論の自由はなく、大政翼賛に反対すると下手すりゃ命が危ないわけで、流れに乗って一丁儲けてやろうというのは、庶民の強かさとも思えるのだ。
だいたい現在の日本スゴイというのも、どの国にもあるおらが国はスゴイぞという話と大きく違うものではない。おらが国というと江戸時代以前の藩というかお国のようだが。近代国家も地元も自慢する分には大して違う訳ではないだろう。俺はお国自慢のほら話は好きなのだ。