ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:らくごDE枝雀

図書館で借りた本。

落語は聞くものであって本で読むものじゃないとは思うのだが、図書館の本はタダで借りられますからね。

この本が書かれたのが1983年、文庫判の発行が1993年と古い。もっとも二代目桂枝雀が亡くなってから25年も経っているわけだから当然であるが。

 

この本に収録されている落語では、「雨乞い源兵衛」だけは聞いたことがなくて、それ以外はCDで聞いているので、読んでいてもCDの枝雀師匠の演技が頭の中で蘇る。

この本の中ではサゲの分類とかやってるけど、そもそもサゲまで演じないことも多い。私の聞いた枝雀の落語では「船弁慶」と「寝床」がサゲの前で終っているやつだった。

特に俺の聴いた船弁慶は氷売りのところで終っていて、「続きはレコードで」という形になっていた。

話はそれるが、この「続きはレコードで」というのは枝雀のオリジナルではなく、元ネタは講談とか浪曲らしい。しかし、今の時代にも通用する笑いである。

少し前(かなり前)にTVCMで「続きはwebで」みたいなことをやっていたのも思い出すし、なにより最近のTVアニメでも「続きは劇場版で」とかやっているわけで、いま聞くとそれを揶揄しているように聞こえるわけである。続きのレコードなど存在しないのに、「続きはレコードで」とやることが面白いのだ。

俺はあまり新作落語は評価しないのだが、この本の対談相手の小佐田定雄作の「貧乏神」は面白かった。この本に収録されている新作は「雨乞い源兵衛」だが、これはサゲが強いのに対して、「貧乏神」は貧乏神のキャラクターが実にいいのである。


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