ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想

不等式入門は結構いい本だった。

この前書いた記事で、アフィリエイト商品として「不等式入門」を挙げたが、実はその本は読んだことがなかった。不等式という名のつく本を適当に選んだだけだったのだ。しかし図書館に置いてあることが分かったので借りてみた。 不等式入門 POD版 (数学ライブ…

ラップを聞くにはラッパーの耳がいる。読書感想:言語学的ラップの世界

「妖精を見るには妖精の目がいる」のパクリですが。 この本「言語学的ラップの世界」の言語学の部分を要約すると、日本語ラップの韻は母音の一致でなされるが、母音だけでなく子音も似ている子音が使われる傾向がある」ということである。 言語学的ラップの…

読書感想:犯罪の中のレディたち(上)

図書館で借りた本。 前に読んだ「完全犯罪大百科」が良かったので、エラリー・クイーン編のアンソロジーということで借りてみた。 犯罪の中のレディたち〈上〉―女性の名探偵と大犯罪者 (1979年) (創元推理文庫) Amazon 上巻はアメリカの女性探偵の話であった…

読書感想:作曲の科学

図書館で借りたブルーバックス。 作曲少女がラノベ風作曲本だとしたら、この本はエッセイ風作曲本。作者はなんか有名な人っぽいけど、俺は知らない人。 科学という部分は、まあ楽典的なものだが、それほど科学してはいない。この本ではそれほどその傾向は出…

読書感想:CO2のきほん

図書館で借りた一般向けの本。 時々はCO2削減対策をおさらいしておこうと思って。 しかし、この本の出版が2010年7月なので、そんなに新しくない。でもまあ、大まかな流れとしては役に立つ。 CO2のきほん―排出量はどのように測るのか? 作者:奥山 康子 誠文堂…

読書感想:エカチェリーナ大帝

図書館の伝記コーナーにあったので借りた。 ロシアの歴史はよく知らない。 どうなるのか知らないので面白く読めた。特に上巻が面白かった。下巻は寵臣(愛人)の話が長かったのであまり面白くなかった。 というか、この人、皇帝の座に就く根拠がなかったんだ…

読書感想:ジーヴスと恋の季節

図書館で借りた本。 これ、ジーヴスシリーズの最高傑作かも知れない。 ジーヴスと恋の季節 (ウッドハウス・コレクション) 作者:P.G.ウッドハウス 国書刊行会 Amazon 4組の男女の恋の障害をバーティとジーヴスが解決する。その上、バーティとガッシーが入れ替…

読書感想:完全犯罪大百科(下)

エラリー・クイーン編のアンソロジーの下巻。 最初、上巻は良かったけど下巻はそうでもないとか思ったが、途中で印象は変わった。アンソロジーとしてのオチとかがよい。 完全犯罪大百科〈下〉―悪党見本市 (1980年) (創元推理文庫) Amazon サムとヤンキーの同…

読書感想:入れ子細工の夜

図書館で順番を待って借りた阿津川辰海のノンシリーズ短編集。 面白い。どの作品もコロナ禍中の世界。 入れ子細工の夜 作者:阿津川 辰海 光文社 Amazon 危険な賭け:珍しく足で稼ぐハードボイルド探偵もの。ハードボイルド探偵らしくバーに行くが、バーのカ…

読書感想:全員参加のわくわく児童劇シナリオ

いつも頭の中にエンタメ作品とは何かみたいな疑問があって、特になろう系作品が多くアニメ化されるようになってからは、面白いってどういうことだろうと考えたりしていた。 そして、出来の悪いエンタメ作品あるいはドラマなどを評する言葉として「小学校の学…

読書感想:完全犯罪大百科(上)

エラリー・クイーン編集のアンソロジー。 これは実に面白かった。エラリー・クイーンのアンソロジストとしての能力の高さを示していると思う。これから、クイーンの他のアンソロジーを読んでみよう。 完全犯罪大百科 上―悪党見本市 (創元推理文庫 M ク 1-28)…

読書感想:マリナー氏の冒険譚

ウッドハスのユーモア短編集。 タイトルは「マリナー氏の冒険譚」となっているが原題は「The Exploits of the Mulliners」なので「マリナー一族の偉業」みたいな意味のようだ。 語り手がマリナー氏なのだが登場人物は、マリナー氏の甥とか弟とかということに…

読書感想:ベスト本格ミステリ2018

図書館で借りた本。 なんか既読というかそういうのが二つあった。 ベスト本格ミステリ2018 (講談社ノベルス) 作者:岡崎 琢磨,阿津川 辰海,大山 誠一郎,白井 智之,松尾 由美,法月 綸太郎,東川 篤哉,水生 大海,西尾 維新,城平 京,有栖川 有栖 講談社 Amazon 夜…

読書感想:クリスティ短編集(二)

前に図書館で借りて読んだ新潮文庫版のクリスティ短編集の続き。 前のはそれほどでもなかったけど、こっちは面白かった。 ミス・マープルもの2作は、初期のパターンから逸脱している。ミス・マープルが前警視総監に事件を持ち込む話と、「火曜の夜の集い」で…

読書感想:クリスティ短編集(一)

図書館で借りた本。クリスティの初期短編集。 検察側の証人:ネタとして傑作だと思うが、今読んでみるとさすがに初期の作品という印象である。 うぐいす荘:ミステリというよりサスペンスもの。 エジプト墓地の冒険、ダヴェンハイム氏の失踪、イタリア貴族の…

読書感想:ベスト本格ミステリ2016

図書館で借りた本。 ベスト本格ミステリ2016 (講談社ノベルス) 作者:本格ミステリ作家クラブ 講談社 Amazon まちがえられなかった男:軽いミステリでよかった。 新陰流水月:柳生十兵衛とか女剣士とか登場するけど、ミステリの事件としては暗い。人の心が。 …

読書感想:統計学を拓いた異才たち

ネットで話題になっていた本を図書館で借りて読んだ。 数式がないし、記号もない。それなのに、内容は高度な数学(少なくとも微積分)が必要なので、何を言っているのか分からないところがある。 まあ、数式があったら分かると言うものでもないが。 これを読…

読書感想:ベスト本格ミステリ2017

図書館で借りた本。2016を飛ばして2017なのは、たまたま誰かが借りていて、そこになかったから。 ベスト本格ミステリ2017 (講談社ノベルス) 講談社 Amazon 何かが足りない方程式:交換殺人を見つけるのは難しくてかなりの名探偵でないと見抜けないと思う…

読書感想:アナザー人類興亡史

図書館で借りた本。 ホモ・サピエンス以外のホモ属(化石)についての比較的新しい(2011年発行)情報を一般向けに書いた本。 アナザー人類興亡史 -人間になれずに消滅した”傍系人類”の系譜- 知りたい!サイエンス 作者:金子 隆一 技術評論社 Amazon 自分で借…

読書感想:私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか

図書館で借りた本。 なんか以前にネットで話題になっていたので、そのうち読む本として覚えていたのだ。 無茶苦茶面白い。もう最高。映画をほとんど見ない俺がこれだけ楽しめるのだから、映画好きな人にはもっと面白いだろう。 私はいかにハリウッドで100本…

読書感想:これが指揮者だ

図書館で借りた本。 音楽関係で軽く読めそうな本を適当に選んだ。著者も知らない。 Q&A形式で指揮者についてのエッセイ的なことが書かれている。これで思い出したのは「のだめカンタービレ」のパリ編とかで千秋がオーケストラに苦労する話。うんうん、それは…

読書感想:P.G.ウッドハウスの笑うゴルファー

図書館で借りた本。 ジーヴスシリーズがまだ残っているけど、箸休め的にウッドハウスの別の作品を読んでみた。 ゴルフもの。しかしまあ、実によくゴルフボールを人に当てるものだ。そこは現代的にはアウトだろう。そして女性が強い。ジーヴスシリーズでもそ…

読書感想:入門 世界の民族楽器

図書館で借りた本。怪書。 作者の若林忠宏はタモリ倶楽部とかにも出演したことのある民族楽器界隈では有名な人らしい。 3章から構成されていて、第1章が「楽器の種類分けって、どんな?」、第2章が「楽器の歴史」、第3章が「楽器はどのように伝わり拡がって…

読書感想:ベスト本格ミステリ2015

図書館で借りた本。時々思い出したように借りるベスト本格ミステリの2015年版。ワイダニットというか動機ものが多かった印象である。 ベスト本格ミステリ2015 (講談社ノベルス) 講談社 Amazon 最後の良薬:医者の話。どうもピンと来なかった。なんとなく、ネ…

読書感想:あれは子どものための歌

先日読んだ作品が表題作になっている明神しじまの連作短編集。 うーん、表題作が最高の作品だなぁ。 どうも他の作品は納得感というか解決感というか、そういうのが足りない気がする。 あれは子どものための歌 (ミステリ・フロンティア) 作者:明神 しじま 東…

読書感想:超高速!参勤交代

話題になっていた映画の脚本家が書いた同名の小説。映画とは別物らしい。超高速!参勤交代が読みたかったのであって、チャンバラや忍術や色恋沙汰が読みたかった訳ではない。二日目100ページあたりで、超高速参勤交代のネタはほぼ出尽くして、むしろ時間が余…

読書感想:ベスト本格ミステリ2014

図書館で借りた本。時々思い出したように借りるベスト本格ミステリの2014年版。 水底の鬼:ミステリというより、俺の考えた最高の民俗学的解釈みたいな話。面白くない。 ボールが転がる夏:密室もの。語り手と探偵のキャラクター描写に無駄に枚数を使ってい…

読書感想:電動王国

俺の読書感想は小説とは限らないのだ。 これは図書館で借りたなつかしの電動おもちゃの話。 www.ohmsha.co.jp最初がリモコン(有線)の戦車で、これ持ってたと思い出した。 どこのなんていう戦車かも覚えていないが、有線で左右のキャタピラだけ動かせるもの…

読書感想:あなたへの挑戦状

図書館で借りた本。阿津川辰海と斜線堂有紀の競作ミステリ。 私にとっての最大の謎は「あなたへの挑戦状のカードがなぜ封筒に入れられて綴じ込みになっていたのか」ということであった。これ、図書館の本なので、「付録は元通りに入れておいて下さい」という…

読書感想:ことばと国家

強い本だ。面白い。 アジアのお箸さんの記事を見て図書館で借りた。 jkcv.hatenablog.com 薄い新書なのに内容が多過ぎて感想が書ききれない。 丸谷才一批判、言語学の立場からのソシュール引用などがあるが、基本的には純粋な言語という考え方に対する批判。…