ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

考察:若者の車離れと異世界転生

結論はないし、そもそも記憶があいまい(その上資料も持ってない)なので、補足やツッコミなどは歓迎する。

なろう系の異世界転生アニメを見ていて、ふと気づいたのである。移動手段が徒歩転移がほとんどであり、馬車を使用する場合も商人の馬車に便乗することが多いと。つまり、自分専用の移動用の道具を持っていない。(王家の場合は王家専用馬車かも知れんが、自分専用ではない)。魔法世界なら箒が乗り物だが、あまり乗らないという印象である。つまり、異世界転生にはマイカーに相当するものがほとんど登場しない。

そりゃあ、マイカーは機械だから魔法のある中世風世界には登場しないだろうという意見もおありでしょう。

ローンレンジャーとスーパージェッター

スーパージェッターでも十分古いが、ローンレンジャーはもっと古い。しかし、この二つには共通点があるのだ。ローンレンジャーと言えば「ハイヨー、シルバー!」。そして、スーパージェッターは「流星号、応答せよ」。愛馬愛機である。単なる乗り物ではなくて、主人公のピンチに助けに来るのだ。大勢に取り囲まれてピンチになったレンジャーが指笛を吹くと、シルバーが駆けつけて、それに乗ってピンチを脱出するのである。なんとシルバーは棒にロープで繋がれていても、そのロープを自分でほどいて駆けつけるのである。首先を振るとロープがほどける(もしかしたら他の作品と混同しているかも)。流星号は壁を破ってジェッターのところに来る。

この主人公のピンチに助けに来る存在というのは、かつてのエンタメの王道パターンで、それだけでも論じたいところ。(タキシード仮面との関係性の違いとか)。

 

 

 

ワンダースリーのアレとタケコプター

ワンダスリーの一輪車はビッグ・ローリーというらしい。名前は覚えていないが、その存在感は強い。助けには来ないが毎回登場する移動用の機械。専用の道具で愛着はあると思う。それに対して、ドラえもんタケコプターは惜しい。登場回数は多く、移動用の道具だが、レンタル品だ。あんな小さな物なんだから、毎回ドラえもんから受け取らずに、のび太がずっと持っていて自分専用のタケコプターとして塗装するとかシールを貼るとかすればもっと愛着のある品となっただろうに。

俺はSF好きなので、主人公専用の乗り物の話をすると果てしなく脱線してしまう。ロボットは別にしてもだ。

 

 

 

大魔王シャザーンとハクション大魔王

大魔王シャザーンで主人公たちが乗るのは、空飛ぶ魔法のラクダである。ハクション大魔王は魔法の絨毯。SFでなくても乗機はある。ラクダは乗機じゃないか。ファンタジー世界なんかの馬やラクダ(や箒)は、バイクに相当し、絨毯は車に相当すると思う。どこに行っても、どこに行くにも乗り物は必要なのだ。

 

 

 

ファンタジー世界の乗り物

そう異世界転生ものは魔法の世界なのに、魔法の絨毯はほとんど登場しない。なぜだー。

魔法の絨毯はアラビア世界のものだから、ナーロッパには馴染まないのだろうか。いや、なんでもありのナーロッパに魔法の絨毯だけを排除する理由はないだろう。

アラビア世界ではなくて魔法の絨毯(のようなもの)が登場する作品には、多元宇宙の王子がある。これなんてまさに車のアナロジーで、主人公の乗るのはマークIIである。(またSFに戻ってしまった)。

 

基本的には、今の異世界ものはゲームの世界であり、さらに極端に言えばドラクエの世界である。FFならもっと乗り物が登場したはず。(もっともFFの乗り物は現実的というかSF的だが)。実を言うと俺はドラクエもFFも全然プレイしていないので、ここはテキトー言っている。

異世界転生は都会の話

舞台が都会という意味ではなく、都会的な考え方を前提にしている。その証拠に、いやその証拠にというのは、そういう言い方であって、証拠を挙げているわけではない。その証拠に、スローライフものが最近(もう最近じゃないか)流行っている。スローライフはまさに都会人の発想。

移動は徒歩または公共交通機関。これが都会さ。公共交通機関がまだ発達していない、または廃線とかになったところでは自分専用の移動用の(魔法の)道具が必要であり、いつも使う道具だから愛着もわいてくる。現実世界ならそれが車、マイカーである。

イカーの最大の問題は駐車場であり、魔法の使える世界、ゲームと同じようにどんなものもアイテムボックスなり袋なりにしまえる世界では、駐車場問題は発生しない。車(に相当するもの)にとっては都合がよいはずだが、都会人は必要性自体を感じないのだ。

愛馬に相当するものは、使い魔であってもよいはずだが、使い魔を乗り物にするというのもあまり記憶にない。(ちょっと思い出しかけたが、すり抜けた。魔法少女もののどれかにあったか?)

これとは違うがちょっと思い出した。うたわれるものムックル(虎)とココポ(鳥)が愛馬に相当する存在だな。ハクオロも何かに乗ったりしてるけど、愛馬という感じではない。そして更に思い出したのが防振りシロップ(亀)。これは多人数乗れるのでかなりに近い存在だ。

防振り異世界転生ではないが、なろう系だし今回の反例または例外といえよう。

 

 

十二国記には乗り物としての妖魔が登場するが、主人公が王であるために、特に陽子は麒麟に乗ってしまうので愛馬的な存在にはなっていない。話によっては結構近い関係の話はあるが。

 

 

車を売りたいならSFを流行らせよう

願望充足型のエンタメに、車に相当するものが登場しないということは、マイカー願望が存在しないということなのである。(少なくとも異世界転生ものを好んで読む集団には、その願望がないということだろう)。

でも逆に、エンタメから入ってイカー願望を煽るということも可能でないとは断言できないだろう。

その点、やはり車と相性がいいのはSF。まあ環境問題とかあるし、電気自動車というのも未来感が薄いので、主人公の乗る宇宙船だな。自分専用の乗り物で、愛着があり、呼べば来る宇宙船。この場合、人型ロボットではない方が車の方に嗜好が向かいやすいだろう。