この前書いた記事で、アフィリエイト商品として「不等式入門」を挙げたが、実はその本は読んだことがなかった。不等式という名のつく本を適当に選んだだけだったのだ。しかし図書館に置いてあることが分かったので借りてみた。
図書館で借りた本は、なんと1969年発行の初版であり、著者検印のシールが貼ってあった。今発行されている本とは内容が多少違うかもしれない。一方、長く読まれている本にはそれなりの理由があり、たいていは名著である。
算術平均と幾何平均の不等式の証明から始まるのだが、平均の個数はn個である。そして最初は対数を使って証明するが、その後に上に凸な関数の話になる(接線を引けば不等式が成立する)。
高校数学の微分積分は高度になるとややこしいところがあるが、上に凸とかいうあたりは楽しい(俺の主観だが)。微分としては易しいし、関数のグラフが描けるので結果が目に見えるのもよい。
この本も微分は出てくるけれども、大学数学のような抽象性は少なく高校数学の範囲で十分理解できるはずである。総和Σとか総積Π(パイ)とかも出てくるが、大したことない。手を動かして計算する問題もあって、高校数学はバッチリだが大学数学は抽象的過ぎて面倒くさいという人にピッタリである。