ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

数学:多項式の微分と因数分解(無平方分解)

前振り。疫病が流行し、戦争が続き、淫祠邪教がはびこり、火山が噴火する。つらいので逃避するために、数学のことを考え、前に書いた因数分解の話の続きでも書こう。

ブコメにあったグラフを描くという方法が自分ではやった記憶がなくて、調べてみたがちょっと見つからない。グラフを描く目的で因数分解するというのが引っかかってしまうので。

本題。基本的に整数を係数とする多項式因数分解の話。そして筆算というよりも、プログラムのアルゴリズムの話なである。整数を素因数分解するように、(整数係数)多項式因数分解したいわけだ。ただし、高校の問題とは違って、因数分解できないこともある。つまり既約多項式の場合もあるということである。整数の素因数分解で最初から素数だったようなものだ。この話は(整数係数)多項式因数分解の一意性という重要な性質が前提となっている。(整数係数じゃなくてもいいが、とりあえず整数係数ということにしておく)

微分積分が苦手な人でも、多項式微分なら簡単だ。私も高校生の時に「微分するなら多項式に限る」と思ったものである。(整数係数)多項式の素晴らしい点微分が簡単だということだ。微分しても因数分解できるとは限らないが、出来ることもある。というか、多項式因数分解アルゴリズムの第一段階は「無平方分解」であり、これに微分を使う。

f(x) = (p(x))^2q(x)

となっているときに、これを微分すると

f'(x) = 2p(x)p'(x)q(x) + (p(x))^2q'(x)

となる。もちろん、f(x)は展開された形しか知らないのだが、展開された形で微分しても積を微分して結果を展開しても同じことである。ここでf(x)とf'(x)を比較すると、共通因子p(x)がある。

なので、f(x)の展開形とf'(x)の展開形の最大公約数(GCD)を求める。数じゃないけどユークリッドの互除法多項式にも使えて、効率的にGCDを求めることが出来る。ユークリッドの互除法は魔法のように役に立つ。というか魔法、今風に言うと。筆算だとそこそこ面倒だけど、コンピュータにやらせるなら、自分でプログラムを書いたっていいくらい簡単なものだ。微分因数分解に役立つというのがちょっと面白い。

GCDが1なら平方因子はないということだし、見つかれば1段階因数分解が出来たということである。2乗の因子がある場合と書いたけど、明らかに3乗以上でも成立する。ここで見つかったGCDで元の多項式を割れば、2乗以上の因子を持たない(無平方)多項式が得られる。

次の段階からは、数学らしくなるので難しいから放り出して書かないかも知れない。

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