ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:アナザー人類興亡史

図書館で借りた本。

ホモ・サピエンス以外のホモ属(化石)についての比較的新しい(2011年発行)情報を一般向けに書いた本。

 

 

自分で借りておいてなんだけど、あまりワクワクしない。いや、俺以外の人はワクワクする本だと思う。なんというか俺はどうも古生物学にはあまりワクワクしないようだ。

すべての説がうさんくさいように感じられる。あるいは、学者が余計な推測を語りすぎるというか。

たとえば、ドマニシのヒトの化石に歯のない高齢者と思われるものがあることから、これは福祉の概念があった証拠だと(著者ではなく学者が)いうのだが、その主張は飛躍があると俺は思うのである。

それにどうしても俺の政治的倫理的思想で読んでしまう。これが嫌なのだ。

たとえば、この本では人類の「多地域進化説」と「単一起源説」が取り上げられていて、どちらとも結論は書かれていない。一般には「単一起源説」で結論が出ていると思われているが、「単一起源説」にも問題があるとのこと。

この本を読むと確かに「単一起源説」の論拠が十分ではないように思える。かといって「多地域進化説」が正しいと思うかというと、ここで俺の政治的な立場がこれを否定しようとする。「多地域進化説」は人種差別の理論的根拠にされる危険性が高い。よほどの証拠がない限りうかつに「多地域進化説」を認めるわけにはいかない。こういう思想は科学的ではないが、人種差別拡大の危険性は無視できない。

そういう政治的な思想が人類史にはまとわりついてくるので気持ちよく読めないのだ。