ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

エンタメ考察:俺ツエー無双の長所

なろう系の小説とかそれを原作とする漫画やアニメに多いと言われる「俺ツエー無双」だが、その長所にひとつ気がついた。

長所というか、欠点ではない点というか。

俺ツエーとか無双ものエンタメは、お涙頂戴の安っぽいヒロイズムで主役や主人公側の脇役が死んだりしないということである。いや、全部ではなくて、例外もあるかも知れないと一応予防線を張っておく。

俺ツエーで無双なんだから、死なないのは当然である。転生ものなら最初に死んでいるじゃないかという説もあるが、俺の知る範囲では、死んだ理由は他人を助けるためとかではない。

あれっ? 異世界おじさんは女の子を助けようとしたんだっけ? 早くも例外が。でもそこは単に転生のきっかけということでお涙頂戴ではない。このすばカズマなんて転生のきっかけすら助けようとして全然助けていないというか無駄だったというギャグである。

とにかく、お涙頂戴の死はないということにしておく。ましてや、人類を救うために主役が特攻して死ぬなどという特攻賛美はない。

主役や脇役や小さな女の子が死んでお涙頂戴というのは、エンタメで感動を押し付けるためによく使われる手法であり、広く知られている。この広く知られているというのは、作者や編集者やラノベ教室の講師によく知られているだけでなく、読者にもよく知られている(そして俺のようなひねくれた読者には飽きられている)ということである。

もちろん、良識のある編集者や講師は、安っぽくなるからむやみに使わないようにと言っているはずだが、その一方で、ここぞという時には使ってもよいとか、うまく使えみたいな指導もあるのではないか(だって、そういう作品があるから)。

一方、なろう系の作家たちには編集者がついていないし、作家養成講座なんかにも通っていない(通っている人もいるし、作家養成の本を読んでいたりもするんだが、それはここではとりあえず無視することにして)。俺とは逆に感情移入し過ぎて、主役や脇役の死が耐えられないという人が読者だったり、作者だったりするのがなろう系の特色のひとつだと思う。

俺はそんな安っぽい手垢のついた感動の押し付けなんかには騙されないぞという気分で安直なヒロイズムに反対するのだが。理由はどうあれ、俺ツエー無双には安っぽいヒロイズムで主人公や脇役(ヒロインとか)が死ぬ作品はないとは言えないが、例外的であろう。ここで俺というエンタメ小説を読み過ぎた年寄りと、あまり小説を読んでいないと批判されがちななろう系作者との利害が一致するわけである。

 

例によって、読んでいない本を貼っておく。

 

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