ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:犯罪の中のレディたち(下)

前に図書館で借りた本の下巻。

露骨なネタバレはないつもりだが、露骨ではないのはあるかも。

マッケンジー事件:単発の短編だが主役のグウェン・リースは作中ですでに有名な探偵。夫婦でホームズ役とワトスン役をしている。ホームズ役が妻のグウェンでワトスン役が夫のコリン・キーツ。なかなかややこしい事件だが、なんとなく真相の見当はつく。

フットボール試合:シスター・アーシュラは修道女。アメリカンフットボールのスター選手の冤罪を晴らすという話。クリベッジというカードゲームが鍵になっているが、それを知らないと分からないかも。意外な犯人のひとつのパターンであろう。

このあとイギリスの探偵編

サントロペの悲劇:キラ・ソクラテスコは少年のような娘探偵。この事件でキラは真相に辿り着けない。

ロトの妻:ソランジュ・フォンティーヌは悪を予感する特殊な霊的能力を持っている。ということだが、ほんとかよ。何を悪とするかという点が俺とは少し違うような。

百匹の猫の事件:偉大なるミセス・ブラッドレーは精神科医精神分析医のようだ。(ググると心理学者とあったが、診療所で患者を診ている)。語り手は秘書。なんか、最後にミセス・ブラッドレーが出てきて、あっさり結論を言うという印象だった。ネタも小ネタ感あり。

銀行をゆすった男:ダフネ・レインは十代を出たか出ないかのまことに愛らしい娘。そして彼女と〈調整者〉がトラブルを解決する。なんかラノベっぽいぞ。

フィレンツェ版の珍本:ジプシーの女探偵ミス・ヘイガー・スタンレーの職業は質屋。暗号解読からのお宝発見ものかと。

恐怖の一夜:オールドミスのミリセント・ブレースガードルは見知らぬ男の部屋で一夜を明かす。って全然探偵じゃないよ。たぶんオールドミスの冒険というユーモア作品。

インヴァネス・ケープの男:レディ・モリーは結婚式の翌日に夫が逮捕されて、その冤罪を晴らすために探偵になった。ってめっちゃドラマチックな設定じゃないですか。作者がバロネス・オルツィなので、紅蜥蜴風のドラマチックさを探偵小説に取り入れたか。しかし、この短編は分かりにくい。語りたはスコットランドヤードの捜査班の女性らしい。

村の殺人:イギリスの女性探偵といえばミス・マープルですね。

女性の大犯罪者

鉄鋼証券のからくり:これは泥棒ラッフルズシリーズのパロディ作品で、ラッフルズの妻のミセス・ラッフルズの話。作者はホームズものとかを書いているジョン・ケンドリク・バングズ。割と単純なネタ。卵を一つの籠に入れるな。

贋札:ソフィ・ラングものということだが、もう最初から誰が誰やら全然分からないという叙述の謎。映像的かも。

盗まれた名画:フォー・スクウェア・ジェーンは義賊のようだ。

グレート・カブール・ダイヤモンド:フィディリティ・ダヴは「完全犯罪大百科」でも取り上げられていた犯罪集団のボス。これも科学的というかSF的というかありそうな気もするがなさそうな気もするトリックが使われている。

姿なき殺人者:誰が主役の話かと思ったよ。殺人なので犯罪者なのは間違いない。

 

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