ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:犯罪の中のレディたち(上)

図書館で借りた本。

前に読んだ「完全犯罪大百科」が良かったので、エラリー・クイーン編のアンソロジーということで借りてみた。

 

上巻はアメリカの女性探偵の話であった。

スパイダー:スーザン・デアは女性の探偵というだけでなく、(作中で)作家でもある。若い。なんかタイトルから変な方向に考えてしまってネタが全然読めなかった。筋は通っているパズルミステリーだと思う。

緑の氷:ヒルデガード・ウィザーズは教師。パズルミステリというよりは冒険的な要素というか、偶然の要素が強い気がする。

単独取材:サリー(シャーロック)・ホームズ・レインは新聞記者。ミドルネームがホームズなのでシャーロックと呼ばれているようだ。この短編はもう明白な冒険もの。若い女性探偵が危機一髪的な話。

棒口紅:ルイーズ・ベアリングは従姉妹の死の真相を探る素人探偵。しかし、棒口紅という訳語は古い。たぶんリップスティックのこと。

撮影所の殺人:ローズ・グレアムは撮影所の監督助手(スクリプトガール)。なんかこの事件の犯人は、その場にいた人なら誰でも分かりそうな気がする。

スクウィーキー最初の事件:デズデモーナ(スクウィーキー)・メドウは主婦かな。おばちゃん探偵という感じだ。警察の捜査の邪魔をするおばちゃんというとてもキャラの立った探偵だ。面白かった。

ジゴロの王:マダム・ロージカ・ストーリーは、シリーズ探偵。この短編の時点で誰もが名前を知っているような有名な探偵でしかも大金持ち。モンテ・カルロでルーレット一点がけで勝ったりしている。さらに誘拐されたりするし、変装の名人だったりもして短編なのに波瀾万丈な話である。警察も手足のように使う。ジゴロの組織を壊滅する話。事件解決にバンバン金を使う。

ダイヤを切るにはダイヤで:エリナー・ヴァンスも大金持ちのようだ。主に困っている女性を助けるために探偵的なことをしている。この短編は悪党を罠にかけてやっつける話。最終的には回収しているもののやはりポンと大金を出している。

オペラ座の殺人:サリー・カーディフは偶然事件現場にいたことから探偵役をやる。シリーズ探偵なのかどうか分からない。構成はパズルミステリーっぽいけど、あまりよく分からなかった。

アメリカのヒーローは大金持ちというのが結構あるけど、女性探偵の特徴に大金持ちを入れるのは納得が行く。頭脳はともかく肉体的には男性に劣る部分があるので金持ち設定でカバーできるし、社交界にも出入りできる。

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