図書館で借りた本。クリスティの初期短編集。
検察側の証人:ネタとして傑作だと思うが、今読んでみるとさすがに初期の作品という印象である。
うぐいす荘:ミステリというよりサスペンスもの。
エジプト墓地の冒険、ダヴェンハイム氏の失踪、イタリア貴族の怪死:ポアロもの。ポアロはやはり長編の方が向いている気がする。それともまだ初期で作家としての脂がのっていないのか。
火曜の夜のつどい、アスターティの神殿、金塊事件、舗道の血痕、動機対機会:ミス・マープルもの。こうしてみると、アシモフの黒後家蜘蛛の会はミス・マープルのオマージュなんだと気づく。
中年の人妻の事件、悩める淑女の事件、あるサラリーマンの冒険:パーカー・パイン氏もの。パーカー・パイン氏は新聞広告が一番印象に残っているなぁ。殺人のない点は日常の謎に近く、そしてサスペンスもあるので、もしかしたら、こういう作品は今の時代に合っているのかも知れないと思ったり。
編者がシリーズものをわざと選んだのかも知れないが、もっとシリーズ外の作品を読みたい気がした。別の出版社のクリスティ短編集を見てみるか。