はてブにこんな記事があった。
b.hatena.ne.jpこれに対して以下のようなブコメを書いたが、書き足りないので追加する。
日本の独身男性の幸福度が世界最低な反面、独身女性の幸福度は世界最高らしい『無敵では』『ギリシャの幸せはどこ…』
設問も含めて調査方法に問題があるのではないかと疑う。俺はアンケート調査自体あまり信用しない。少なくとも他国と比較することはかなり危険、さらに言えば男女間の比較も危険だろう。
2021/11/30 21:45
b.hatena.ne.jpそもそも幸福を点数化する際に何を基準にするかということだが、ここで幸福度が低いギリシャを考えてみる。ギリシャは観光立国であり、財政破綻後に観光が盛り返したところにコロナ禍の現状である。コロナ前と比べたら幸福感・幸福度が下がっていると感じるのではないか。もちろん別の理由かもしれないが、コロナの影響は大きいのではないだろうか。過去との比較による相対的な幸福判断ではないだろうか。
配偶者の有無による幸福度の違い。結婚についての日本の現状をみると、貧困若者は結婚しにくいということが言われている。そうすると結婚している人はある程度以上に収入がある人ということになる。収入の多い人が幸福度を高くつけ、収入の低い人が幸福度を低くつけているという可能性も考えられる。それに日本以外の国は(あるいは日本も含めて)結婚することが幸福であるという価値観かも知れない。それを逆に見ると結婚したくても結婚できないでいる人が自分を不幸だと判定しているのかも知れない。ここから、未婚の人が結婚することによって幸福になるという結論は導けない。離婚した人というカテゴリーを作ったら、離婚によって幸福になった人と不幸になった人で差がつくのではないだろうか。
そもそもなんでこのグラフは配偶者ありと配偶者なしで分けたのだろうか。結婚を推進しようという前提での調査だろうかという疑問も湧く。
また点数が「非常に幸せ」が2点で「まったく幸せでない」が-2点と点数を付けさせているようだが、「まったく幸せでない」と回答する人はかなり少ないだろう。これも国民性とか文化とかの影響が大きいと思うが、本当に不幸のどん底にいる人はアンケートに回答する余裕はないという可能性もある。個人的な感覚では、文化的に日本の女性は全否定となるような回答はしないだろうと思う。
それぞれの国にそれぞれの価値観があるのでこういう方法での点数化には疑問がある。
一つ考えられる調査方法は、「人生をやり直せるとしたら、やり直しを選ぶか」とか「人生をやり直せるとしたら、いくらまで金を払うか」とか「いますぐ異世界に転生して冒険生活ができるとしたら、そうするか」とか、幸福という言葉を直接出さない質問の方がよいと思うが、これらの質問でもそれぞれに問題点があって一つの質問ではうまく調査できないと思う。
逆に、もっと直接的に、過去と比較して現在はより幸福だと思うか、国内の同性と比較してより幸福だと思うか、国内の年上の人、年下の人と比較して幸福だと思うか、国内の同年齢層の異性と比較して幸福だと思うか、外国の人と比較して幸福だと思うかなどと聞くことによって何かが分かるかも知れない。
結論はない。
まあね、他人と幸福を比較しようと思ったり、思わせられたりすることが、不幸の始まりとなる(こともある)。そうすると、幸福についてのアンケート調査をすること自体が不幸感を生むという可能性もある。
幸福といえばパーカー・パイン。「あなたは幸福ですか? 幸福でない方はパーカー・パイン氏にご相談ください」
最近私が読んでいる日本のミステリーでは、事件解決よりも人間関係を含めた問題解決を重視する探偵が何人かいるが、そういう探偵のハシリがパーカー・パイン氏ではないだろうか。