ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想

読書感想:水滸伝(六)風塵の章

北方水滸伝。やはり人数が多くて混乱してきた。天罡星三十六星だけでも俺には多すぎるのに、地煞星七十二星もいるのでどうにもならない。獣医の妻があっさり殺されるのもすごい。だいたい女はあっさり殺される。 宋江は持ち上げ過ぎな気がする。思想的指導者…

読書感想:シカゴ・ブルース

フレドリック・ブラウンのエド・ハンターシリーズの1作め。2作めを先に読んでしまったが、最初から読むことにした。 なかなかよい。俺の中で、フレドリック・ブラウンがSF作家よりもミステリ作家として評価するようになりつつある。 パズルミステリーで…

読書感想:息吹

図書館で借りたテッド・チャンの短編集。昔、第一短編集を読んだ時はその才能に驚いたが、今の私にとっては著者の意識が高すぎる気がする。主に、俺の意識が低くなった関係で。意識の高さがややミスマッチだった。 商人と錬金術師の門 アラビア風世界での過…

読書感想:人形はなぜ殺される(ネタバレ)

先日読んだ「謎解き名作ミステリ講座」でネタバレありの部分を読んでいたが、面白そうなので図書館で借りた本。圧倒的な忘却力でネタを忘れていたので、問題なく読めた。が、その本でこの作品をどう評価していたのかも忘れたし、図書館に返してしまったので…

読書感想:謎解き名作ミステリ講座

古典から現代の、そして海外から日本の名作ミステリを紹介、批評する本。ミステリ評論家佳多山大地が非常勤講師として大学で教えた講座の内容をかいつまんで紹介する本。 面白い。前回のあらすじ本とちがって、毎回導入からその作品の読みどころまで紹介して…

読書感想:あらすじで読む世界の名作

読書系ブログではおそらく取り上げられないであろう本。俺だってとても金を出して買う気にはならないが、図書館にあったので。著者が翻訳家小島千晶監修というのも変な感じだ。小説の翻訳をしている人ではないようだ。小島千晶は監修で、各作品のあらすじは…

読書感想:水滸伝(五)玄武の章

北方水滸伝。いよいよ、本格的に史実原作に反する展開になる。まあ、何が原作かもよく知らないけど。108人もいたら登場人物多すぎるので、バンバン死んで欲しい。 重要人物が死んだ一方で、序盤から主役級だったがしばらく行方不明になっていた魯智深が復活…

読書感想:金属の科学

図書館で適当に選んだ本。 金属についてはほとんど知らないので、結構面白かった。 いわゆる冶金学の本。 ただし、2005年の出版なのに、主な金属の残存資源量が1990年現在の資料になっているのが残念。しかも鉛、亜鉛、スズ、金、銀の残存資源量があと20年と…

読書感想:生物の大きさはどのようにして決まるのか

副題は「ゾウとネズミの違いを生む遺伝子」 副題は内容の卑小化である。本来のタイトル通りの内容であった。つまり原核生物からすべての植物、動物にいたるまであらゆる生物の大きさについて書かれている本である。 わずか200ページの本にして、その内容の広…

読書感想:素浪人 月影兵庫

「素浪人 月影兵庫」というのはテレビ時代劇の題名である。俺と同年代の人ならほぼ知っている高視聴率番組であった。ただし、テレビ番組は必ずしも原作に沿った内容ではなく、その結果として原作者からクレームがついて、「花山大吉」になったというのは有名…

読書感想:水滸伝(四)道蛇の章

北方水滸伝四巻。主に宋江の話。それから青蓮寺の李富の話も。梁山泊以外でも「替天行道」の旗が揚がる。宋江が捕まりそうなところで次巻につづく。 水滸伝 四 道蛇の章 (集英社文庫) 作者:北方謙三 集英社 Amazon

読書感想:コウモリ 進化・生態・行動

前回読んだ「コウモリの謎」の参考文献にあった本。分厚い。大学の教科書のようだ。「ここ試験に出ます」という感じの内容が多い。 コウモリ―進化・生態・行動 作者:J.D. オルトリンガム 八坂書房 Amazon 少し古い本で、「コウモリの謎」ではコウモリ複数系…

読書感想:水滸伝(三)輪舞の章

いよいよ、反乱軍としてまとまって動き出すような感じである。 それはともかく、女がよく死ぬ。これは原典のとおりなのか、ともかくよく死ぬ。宋清の話とかひどいね。 武松は復活する。時間はあったにせよ、けっこうあっけらかんとしてる気がする。 水滸伝 3…

読書感想:鞍馬天狗

鞍馬天狗の小説ではなく、鞍馬天狗が何人、どんな風に人を斬ったかという本。ブログネタのようだと思って図書館で借りた。ゴルゴ13が何人殺したかみたいな。 鞍馬天狗 (岩波新書) 作者:川西 政明 岩波書店 Amazon そういうことが可能なのは、鞍馬天狗の作者…

読書感想:運命の倒置法

たぶん、作品としては傑作だと思う。 若い女と赤ん坊の白骨死体が発見されるところから始まって、犯人と思しき人々の狼狽とかが描かれる。のだが、実際に何が起こったのかということが全然分からない。つまり、犯人と思しき人たちは事件当時のことを思い出す…

読書感想:えんまと希望の星 幽霊少女と地獄の詐欺師

「えんまと希望の星」がシリーズタイトルで、「幽霊少女と地獄の詐欺師」がこの巻のタイトル。 表紙を見るとBLっぽい気がするが、たぶん精神的な軽いBLのような気がする。「好き」とか言ってるし。 えんまと希望の星 - 幽霊少女と地獄の詐欺師 (C★NOVELSファ…

読書:たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座

図書館で借りた本。 田丸メソッドで誰でもショートショートが書けるのだ。 たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座 作者:田丸雅智 キノブックス Amazon 田丸メソッドトは何か。 まず「不思議な言葉」を作り、その言葉を元にストーリーを…

読書感想:同志少女よ、敵を撃て

ラノベっぽい女性狙撃手部隊の話かと思って読んでいたら、かなり骨太の戦争文学だった。人物の配置がよい。 百合とも評されているが、そんなに百合ではない。少なくとも俺好みの百合ではない。まあ、この作品で百合要素は重要ではないとも思う。 独ソ戦のソ…

読書感想:水滸伝(二)替天の章

北方謙三の水滸伝の二冊目。いよいよ独自色が強くなり、公孫勝の特殊部隊「致死軍」が結成される。忍術を使わない忍者というか、体術を鍛えた特殊部隊というか。スパイというよりは暗殺部隊の方が近いようなかなり現代的な匂いのする部隊である。対抗勢力と…

読書感想:水滸伝(一)曙光の章

北方謙三の水滸伝。 これまで水滸伝には誰のものであれ手を出していなかったのである。だって、108人も登場人物を覚えられる訳がないと思っていたから。でも、最近は見ているアニメなんて、1人も名前を覚えていなかったりするので、それなら何人登場人物が…

読書感想:タヌキ学入門

主にタヌキの生態の話。前半についているタヌキのイメージについての章は、もっとらしいとはいえ独自研究というタグが付けられそうな内容。 「ため糞」とか果実を中心にしてなんでも食べることとか分かった。 俺にはちょっと易しすぎる内容だった。物足りな…

読書感想:光武帝(上)

歴史をよく知らないままに、読み始めたら、主人公である劉秀の話とよく分からないもう一人の酒造業者の話が交互にあって、酒造業者の話が面白くないので、その章は飛ばして読んでいたら、半分過ぎた当たりで、酒造業者が反乱を起こして、話が繋がってきたよ…

読書感想:最初の接触

伊藤典夫翻訳SF傑作選の第二弾。宇宙編。 うーん、こっちの方が俺には厳しいなぁ。そもそも宇宙人にほ乳類とかいう分類が当てはまるだろうか、などと考えてしまうのである。ネタバレ感想。 伊藤典夫翻訳SF傑作選 最初の接触 (ハヤカワ文庫SF) 作者:マレイ…

読書感想:ボロゴーヴはミムジィ

「いやあ、実に久々にSF小説を読んだぜ」という気がした短編集。1940年とか比較的古い海外SF短編。伊藤典夫が翻訳したものの中から更に高橋良平が選んで編集したもの。 伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ (ハヤカワ文庫SF) 作者:ルイス・パジェッ…

読書感想:殺す手紙

図書館で適当に借りた本。 どういうジャンルなのかも分からんかったが、早川ポケットミステリーなのでミステリーだろうという程度の理解で読み始めた。 読み始めてすぐにミステリーじゃないかも知れないと思い始め、しばらくは悩んでいたがやがてどうでもよ…

読書感想:ダークゾーン

図書館で借りた本。人間将棋というか魔物将棋というか、魔物となった主人公を含む人間たちが同じく魔物の姿となった人間たちと戦うパートと、人間だった頃の話のパートが交互に描かれる。 いやあ、貴志祐介なので一気に面白く読んでしまったのだが、でも人間…

読書感想:終末期の赤い地球

図書館で借りた本。久保書店版。 ジャック・ヴァンスの作品。前に読んだ「天界の眼」と同じ世界を舞台にした作品だが、ちょっと読みにくかった。天界の眼は同じ主人公の連作であったが、こちらは作品ごとに主人公が違う短編集なのである。しかし関連がないか…

同人誌感想:NEMURENU イロドリ

これは文学フリマ広島ではないところで入手した同人誌。 全般的に俺にとっては文学的過ぎるという感想。 「シャボノ」はフロリンダ・ドナーの著作の訳。ノンフィクションということだが、それにしてはフィクションっぽいというか、なんか昔の秘境探検物のよ…

読書感想:プラチナデータ

東野圭吾の小説。ネタバレ感想。 プラチナデータ (幻冬舎文庫) 作者:東野圭吾 幻冬舎 Amazon ここで言うプラチナデータは、いわゆる貴重なデータという意味ではなく、この小説内で特殊な意味をもつ言葉である。 この小説はアニメファンの俺からすると、PSYCH…

読書感想:哲学者にならない方法

図書館で借りた土屋賢二のエッセイ。 哲学者にならずに済むものなら、誰も哲学者なんかにならない方がいいわけで、多くの人にとって「哲学者にならない方法」は需要のある本である。 とは言え、「哲学者にならない方法」を読んだにもかかわらず、いや読んだ…