図書館で適当に借りた本。
どういうジャンルなのかも分からんかったが、早川ポケットミステリーなのでミステリーだろうという程度の理解で読み始めた。
読み始めてすぐにミステリーじゃないかも知れないと思い始め、しばらくは悩んでいたがやがてどうでもよくなる。とにかく、主人公のラルフ・コンロイに共感できない。頭が悪くてその場限りの行動をするし、倫理観もない。そして事態に振り回されて主体的な行動をしない。
ストーリーは、主人公が親友からの謎の手紙に書かれた依頼に従ったところ次から次へとピンチになるというようなものだが、なんというか、意外なストーリーではあるのだが、意外であることを狙ったストーリーという印象の方が強く、主人公がピンチになっても、こちらは全然共感していないわけで、ピンチ感がない。
意外なストーリーなので、夢オチでも不思議はないというつもりで読んだが、夢オチではなかった。最後のオチ自体は、ストーリーと整合性がある。しかし、むしろ、そのオチと整合性をつけるために、ストーリー自体がダメになっているという印象である。
主人公が次から次へとピンチになるので、映像作品ならある程度楽しめるように思える。というか、そういう映像作品を意識して書かれた小説という気がする。