ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:アリバイのA

パズルでないミステリー。ハードボイルド系の足で稼ぐ探偵

それはともかく、アリバイ関係ないじゃん

泥棒バーニィシリーズで言及されていた作品だったので読んでみた。ハードボイルド系32歳離婚2回の女探偵キンジー・ミルホーンシリーズの第1作。

キンジーに事件を依頼するのは、殺人罪で8年の刑期を終えた女性ニッキ。彼女の夫を殺した真犯人を見つけてほしいという依頼である。彼女の夫ローレンスさかりのついた牡犬と形容される男で女と見ればセックスしようとする男。ニッキも二番目の妻であり、ニッキが殺人の容疑者になったのも夫の浮気に怒ったためだろうという動機が理由の一つ。

当然捜査はローレンスの女関係を調べることになる。ところが、ハードボイルド系探偵ものにありがちなことだが(そんなに読んでないけど)、ニッキが捜査を進めていくと新たな殺人が起こる。

というような話なんだけど、あまり私の好みではなかった。まあ男女関係を探るのも、動機を探るのもそんなに好きじゃないから(パズルミステリー方が好き)。物語の展開上、この人が犯人に違いないという断定が出来てしまったからというのもある。推理とかではなくて、話の都合上からしてこの人が犯人という仕組みがある。ほら、テレビドラマの2時間ミステリーとかで犯人になるのはこの人とか、配役上、この人が犯人とかそういうやつ。

訳者あとがきによると、作者のスー・グラフトンはテレビドラマの脚本を書いていた人ということで、テレビドラマのお約束に忠実なのだろう。そういう意味では映像向けの作品である。

映像で見た方が面白いはず。