ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:泥棒は哲学で解決する

キャロリンが本格的に泥棒の相棒をしているというか片棒を担いている作品。今回は希少コインを盗む話。
基本的にはパズルミステリーというよりも、ハードボイルド探偵系のストーリー構成なのだが、最後だけ容疑者を集めて謎解きをするというのが泥棒バーニイシリーズの特徴。
途中で、なんでそんなところに行くのかと思ったのが、ちゃんと目的があって行っているのが面白い。というか、結構成り行き任せで書いているような気がするのに、ちゃんと辻褄が合っていたりする。
でも最後の謎解きのところで、バーニイが泥棒だということが明らかになってしまう。まあ、前からバレているという気もするが、あまり気にしていないようだ。何度も逮捕されているし、警察の家宅捜索も受けているので、アパートの住民にまでバレているのはちょっと生活しづらいのではという気もするが。泥棒だけどいいやつという認識かも。義賊と言うほどではないけれど、盗むのは金持ちからだけなので、庶民にとっては泥棒でも付き合っていけるというか。
これはこれまで読んだシリーズ中でも上位に入る出来だと思う。最後にバーニイが利益を手にするところは暗示されているだけで、書かれていないけれど。