ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:素浪人 月影兵庫

「素浪人 月影兵庫」というのはテレビ時代劇の題名である。俺と同年代の人ならほぼ知っている高視聴率番組であった。ただし、テレビ番組は必ずしも原作に沿った内容ではなく、その結果として原作者からクレームがついて、「花山大吉」になったというのは有名な話。

そもそも素浪人というのがテレビの設定で、浪人ではなく旗本の次男というのはテレビでは最後に明かされるが、原作では最初から明らかになっていたようである。

この素浪人月影兵庫に入っているのは、テレビシリーズ後に書かれた短編集(の中から選ばれた短編12編)である。月影兵庫合点の安の二人が東北地方を旅する話であり、どうもテレビシリーズの影響を受けているようだ。

しかし、この本の表紙のイラストは月影兵庫らしくない。目つきが険しすぎる。もちろん、近衛十四郎に似ていないというのもあるが、本の中に書かれた月影兵庫も、テレビの原作になっているだけあって、余裕のあるユーモラスな人間だからである。

テレビシリーズとは違うが、全然違うというほどでもないというか、シリアスではないユーモラスな感じが共通している。ただし、月影兵庫の必殺技の上段霞斬りは、首を切り落としてしまうので、テレビでは再現されていない。

月影兵庫は特別なテレビ番組だった。俺にとっては、ウルトラQウルトラマンよりもずっと懐かしさを感じる。Youtubeでテレビシリーズの1話と2話が見られるが、今見ても悪くないね。


www.youtube.com


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このYoutubeの中で月影兵庫が胡桃を握っているのを見て、子供の頃、この胡桃にぎにぎがやりたくて仕方がなかったのを思い出した。

でも、テレビの月影兵庫で有名なのは猫と蜘蛛が苦手という第二シーズンのテコ入れ後なんだけど。

この間、鞍馬天狗の本を読んだ時に、「そうだ、月影兵庫の原作を読もう」って思ったんだよね。

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