ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:詐欺師は天使の顔をして

新本格ミステリというのが適切なのかどうか分からんけれど。超能力者のいる世界の謎解き小説という系統の作品である。

ただ、この作品(2作入っている)の場合は、作品ごとに主人公たちが別の世界に転移するので、一作目は超能力者ばかりの世界、二作目は死者が蘇ってふつうに生活する世界となっている。

それはそれとして、BLかと思ったらBLだった。まあ、直接描写はないものの、表紙を見てもBLだと分かるはずである。いや、最初はBLを匂わせるだけかと思ったけど、エピローグまで読むと、これはもうBLとしか言えないと思うわけです。

もう一つの特徴は、これも最近目にすることが多いが、探偵が口にする解決が真実とは限らないというやつである。そういう中では、破綻もないし、よく出来ていると思う。解決に納得感がある。それは悪く言うと意外性がないってことだけど。(あくまでも俺にとってという意味であり、ちゃんと作者のミスディレクションに引っ掛かれば意外な結末として読めるはずだ)

 余計なことを書くと、出来れば詐欺師らしく金を稼いで欲しいという希望がある。ただ働きじゃつまらない。