ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

アニメ感想:錆喰いビスコ

魚が空を飛ぶデタラメな世界で、キノコ守りのビスコが相棒のミロと冒険をする話。

魚が空を飛ぶことには何の説明もなくて素晴らしい。映像を見れば、魚が空を飛んでいることは分かるので、余計な説明は不要だ

一方、サビツキという病気とその特効薬となるキノコについては話の中心となるので説明がされている。サビツキは放置すれば死ぬ病気である。なお登場人物でサビツキになった人はめちゃくちゃ元気である。

まあ、フィクションの登場人物で病気設定で元気な人は多い。沖田総司とか平手造酒とか。

いろいろやりたかったんだろうな感の強い作品であった。まず、何といってもナウシカをやりたかったんだろうなという印象が強い。あちこちで、ナウシカっぽい描写がある。ただ、魚が空を飛ぶ世界観では、ちゃんとした生態系ものは無理があろう。ナウシカっぽいポストアポカリプスっぽい感じ。

それから、ビスコとミロのBLっぽい描写もあるんだけど、どうも俺のBLセンサーにはひっかからない。これで腐女子を釣ろうという餌のように見える。実際に釣られたかどうかは知らんけど。関係性の問題かなぁ。あるいは俺のセンサーが故障しているか。

恋愛っぽいところもとってつけたような気がするんだよなぁ。

あと溶鉱炉落ちみたいになっているシーン。それ解けた鉄じゃなくて、培養中の病原菌だからね。泡みたいのが上がってるのは沸騰しているからじゃなくて、細菌の培養中に発生したメタンとかのガスだから。そう、溶鉱炉に落ちたというよりは、肥だめに落ちたという方が近い。このシーンはちゃんと解釈が出来る点がいい。

デタラメな世界観の中で病気で死ぬとか命がどうとか言うのは、俺には白々しい気がするが、まあこの手のエンタメの定番を押さえたものとも言える。作品全体が様々なエンタメ作品のパロディと考えれば、命を掛けて戦うというところもパロディなのだろう。

ああそうか、パロディとしてやりたかったのか、本気でやりたかったのかがちょっと分かりにくい点が、俺の気になる点なんだな。本気で元ネタを超えていくという気持ちが感じられなかった。かといって、パロディとしては、笑い要素が少ない気がした。

俺のお気に入りは、守銭奴の少女チロル。最後に命がけで助けに来たみたいになっているが、実は命がけで金を稼ぎに来たという解釈が可能であり、信念を貫く筋の通った女という印象である。

 

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