今週のお題「名作」
あれ、先週のお題だったんじゃないかという気もするが、これは予約投稿なので、こんな事態も起こるのだ。
パトリシア・A・マキリップの「イルスの竪琴」は傑作ファンタジーである。しかし、俺がこれを読んだのは前世紀。時間の経過と脳の老化でうろ覚えである。手元にないので参照も出来ない。傑作だという記憶だけは確実にあるのだが、うろ覚え過ぎてあまり語れなかった。
まずこの本は文庫3冊なので、長大なストーリーになりがちなファンタジーにおいては手頃な長さである。この長さは重要。人に勧めやすいね。ただし、絶版のようだが。図書館で借りよう。英語版なら3冊を1冊に合本したペーパーバックが買える気配がある。
そして最初にこれを書くと引く人がいると思うが、カテゴリーにBLを入れてしまったので書く。あと回しにしても仕方がない。たぶんBL。というか、BLとして読めると思う。よく訓練された腐女子なら間違いなくBLの香りを感じるだろう。これは信頼と裏切り、そして信頼回復の物語なのだ。ほらBLでしょ。この関係性をBLというのだ。
そして元気のいいヒロイン(レーデルル)も登場する。というか、2巻の主役である。
1巻の主役はヘド(という土地)の若き領主モルゴン。モルゴンは世界の異変を感じ取り、その原因を調査しようとする(だったと思う)。その旅の途中(というか最初)で偉大なるものの竪琴弾きデスと出会う。モルゴンとデスの物語。
この世界で重要となるのが謎解き。といってもパズルではない。「〇〇(人名)とは誰か、またその教訓は」というような謎を解いていく。この世界の歴史の知識を問う問題のようだが、ある人と別の人が実は同一人物だったり、誰が誰の弟子だったとかいうことを解明していくので、単純な歴史暗記問題ではない。
海から来た変身術者とか謎解きとかは、マキリップの別の作品「妖女サイベルの呼び声」と共通しているのだが、ストーリーも登場人物も共通していない(なんか猪が両方に出ていたような気がして来たが、そこまで重要なキャラではないはず)。
この世界の魔法は、コンピュータRPGに登場するような攻撃魔法とは違って、偉大なるものが世界に及ぼす影響力というような形を取る。領主が領地に及ぼす影響力もそうだと思う。
うーむ、見事にいろいろ忘れているなぁ。
あ、これ早川FTで出てから創元で復刊したけどそれも絶版という状況なのか。
謎「早川と創元の両方で出版され、どちらも絶版になったファンタジー3部作の傑作は何か? またその教訓は?」
妖女サイベルの呼び声も傑作ですよ。