図書館で借りた本。
松本零士責任編集。
満を持しての萩尾望都登場。そして吾妻ひでおが2作品も入っている。
松本零士「ヤマビコ13号」
管理社会というか、コンピュータによる即決裁判というか、ディストピアだけど制度が導入されたばかりだろうか、民衆の人間性は破壊されていない。その意味ではディストピア感が薄い。
藤子不二雄「カンビュセスの籤」
人肉食テーマの有名な作品。女性が当然と思っているところが差異を描く作品となっている。
幽霊ではないと書いてあるけど幽霊譚かな。SFというよりはオカルト。
吾妻ひでお「めざめの時」
「カンビュセスの籤」が先に掲載されていることによって、一段と味わい深くなっている作品。新人類テーマが短い中にうまくまとまっていて、なおかつ明るい終り方。全裸の少女も必然性があるし、この巻で一番のSF漫画である。「どうせならおいしそうに食ってくれ」は名セリフだろう。
この作品のよいところは、旧人類と新人類の交代が無駄な感情的対立なしに描かれているところである。「どうしておかあさん食べちゃったの?」は純粋な疑問であって恨みの感情はない。かといって、新人類の少女が旧人類の男を愛するなんて話でもない。ドライな話でありつつ、広がりのある終り方。ラストは少し大きめのコマだけど、このコマだけを見開きにしてもいいくらいだ。(俺の前に見たバージョンが見開きだったかも)
吾妻ひでお「すーぱーがーる」
俺は好きだけど、吾妻ひでおからSF漫画2作選ぶなら、不条理物を入れたい所だ。
掲載紙が少女漫画誌ではないので掲載できたのか。雰囲気はあるけど、これだけだと意味不明である。
小松崎茂「地球SOS」
漫画というより絵物語。資料的価値はある。
永井豪「都市M1」
人口増加によって、世界中の国が男だけの国、女だけの国、男と女の国に分けられ、男と女の国でだけ子供が産まれるようになった未来。男の国では女性型アンドロイドが男たちの相手をしていた。人口増加という点を除けば、現代的とも言える。
手塚治虫「安達が原」
政治的な話としては、反政府活動家が結局は新政府の殺し屋になる話。ウラシマ効果で年の差がついた恋人の話とも言えるが、ウラシマ効果という説明ではなくて宇宙船内で人工冬眠していたからという説明になっている。
