ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

アニメ感想:伏 鉄砲娘の捕物帳

2012年公開の劇場アニメ。dアニメストアで配信されたので見た。映像美はあるがストーリーがひどい。まったくわけが分からないというか筋が通らない。そもそも捕物帳ではない

原作は桜庭一樹の「伏 贋作里見八犬伝」ということでこちらの方がまだタイトルとしては相応しいが、それでも「贋作」とは何かということで悩んでしまう。贋作というよりも二次創作?いやそれも違うか。

そしてまた声優に素人が使われていて興が削がれる。しかも全然重要でない役。なんなのこれ。ストーリーのひどさは、アニメ化の脚本が悪いのか、桜庭一樹の原作が悪いのかわからないが、どうもどちらも良くないのではないかというのが私の印象である。

鉄砲娘は狩りをしていたのだが、獲物と狩人が「つながった」とか言う。しかし私はこれに共感できない。狩りは子供の遊びじゃなくて生活の手段、食料調達手段である。決して狩られる相手と狩る猟師の一対一の命の対決などではない。危険はあるものの、できるだけ安全確実に獲物を倒すことが重要であり、だいたい罠を使うとか大勢で一匹を追い詰めるはずだ。そうでなければ、ウサギとかキジなどの危険性のほとんどない獲物を一人で狩るものだろう。狩りが一対一の命の対決などというのは、アフリカで趣味のハンティングを楽しんでいた白人ハンターの考えに過ぎない。もちろんハンターたちだって圧倒的に有利な立場から野生動物を殺していただけである。

で、これは南総里見八犬伝を解体して、伏姫と八房の恋愛?だか子作りだかに注目して別の作品にしたような感じなのだが、恋愛ものとしても俺には納得できない。人間を襲うのを我慢してたって言うけど、映像上は襲いまくってる。まあ強引にカップルを作ればそれで恋愛ものと主張することは出来るのだろう。

ちなみに吾妻ひでおにも「贋作ひでお八犬伝」という漫画があるが、これはちゃんと贋作と呼ぶに値する。贋作と言うよりもパロディ(エロ)だけど。米を買う金はなくてもSFマガジンは買わなければならないのだ。(俺は買ってない)

 

伏 鉄砲娘の捕物帳 Blu-ray

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  • 発売日: 2013/04/12
  • メディア: Blu-ray
 

 

伏 贋作・里見八犬伝 (文春文庫)

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