図書館で借りた本。
なにが「なつかし」なんだかよく分からないのだが、一番「なつかし」感があったのは巻末の解説という名の対談。というかそこでの漫画悪玉論みたいな論調に対する反論というかそんな感じのところ。
一番よいと思ったのは、山上たつひこの「心」。いや「心」というタイトルだけじゃなんのことか分からんが、禅寺での下品でエロい目茶苦茶な話。たぶん「禅の心」という意味だと思うが、それだと禅宗の人がいい顔をしないだろう。目茶苦茶やっても最後にまとまるところが凄い。これは傑作。
「なつかし」というか、アナクロ感が満載なのが松本零士の「海軍拳銃1851」。SF風でありながら、その実質はアナクロというのが松本零士の本質なのだが、コルトM1851というパーカッション式リボルバーというのが、本当にどうしようもなくアナクロであり、松本零士の作風をよく表している。
「漫画家残酷物語」は手書きの手紙が3ページ渡って掲載されているのが衝撃というか、内容があまりピンと来なかった。
あしたのジョーの最終回とか、連載作品の1話だけの掲載もあって散漫な印象もある。