元ネタのないつなぎの部分である。
昔、現代日本からこの世界に転移してきたおたく男がいた。この世界で愛する女が出来たが、いろいろあって女は鬼に食べられてバッドエンドとなってしまった。
バッドエンドを見た後に、男は強制的にリセットされて、この世界に来た時点に戻された。女を失った悲しみで気力がなくなっていたので、流されるままに一度目と同じ歴史をなぞって、男は再び愛する女と出会った。
男は女と別れる運命にあることは理解した上で、会うたびにこの夜が最後の一夜になるかも知れないと思いながら、強く激しく女を愛したのであった。
そしてついに女は帝に仕えることが決まり、男と女は会うことが許されなくなった。手紙だけは届けることが出来たので、歌を贈った。
世の中にさらぬ別れのなくもがな千代もといのる人の子のため
世の中に避けられない男女の別れというものがなかったらいいのに。千年でも万年でもずっと二人で一緒に居たいと願う人間がここにいるのだから。
女も男と別れることはつらかったのだろうが、家族の説得もあって、やがて新しい生活に期待を寄せる気持ちが出てきた。
男は、このまま京にいると、女のことが忘れられないので、願い出て地方の仕事に就くことにした。