ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:「研究室」に行ってみた。

図書館で借りた本。

なんか、Youtuberっぽいタイトル。というか、俺はいまアニメ「キラッとプリ☆チャン」の配信を見ているので、プリ☆チャンの「やってみた」っぽい。

しかし内容は「研究室に行ってみた」というよりも、「すごい研究者に会ってみた」という感じである。研究室という組織ではなく、研究者個人にピントがあっている。

対象読者は中学生くらいの感じである。

そして著者の川端裕人は研究者の話を聞いてわくわくしてるんだけど、俺はそんなにわくわくしない。話は面白いけど、研究が面白いと言うよりも、個人が面白いのである。というか、川端裕人が個人の面白さに焦点を当てているので、変な面白い研究者の話となっている。

なので、たとえば中学生がこの本を読んだとしても、この本に書かれている内容の研究をしたいとはならない気がする。むしろ、すでに特定の領域に関心を持っている中学生に対して、そのまま好き勝手にやっていいんだよと応援する本である。

俺がこの本を読む前から多少なりとも知っていたのは、最初のサバクトビバッタの前野ウルド浩太郎と、ニホニウム森田浩介だがバッタ博士はもちろん特殊な人だし、ニホニウム(重元素合成)は、次の元素を簡単に合成という訳には行かないだろう。たぶん、重元素合成は他の研究と並行して継続されるだろうけど、研究資源をそんなに割り振らない裏のジョブみたいな形で継続するのではないだろうか。

この二人以外では、宇宙飛行士になりたい人と宇宙エレベータを作りたい人は、大きなくくりでは研究者かも知れないが、むしろそのままの宇宙飛行士になりたい人なんだ、宇宙エレベータを作りたい人なんだという印象しか受けなかった。

生物にインスパイアされたロボットは、俺も少し関心があるが3Dプリンタで自分の体を作るっては、それで最適化を目指すには時間スケールが足りないと思うので、むしろ生物的というよりもプログラムされた動作の方になるという気がする。

もうひとりの地理学の人は、確かに面白いんだけど、分野が確立していない昔の話という印象を受けた。この地理学で面白かったのは、氷河期から間氷期への温暖化によってサンゴ礁の分布が広がったという点である。サンゴは熱帯の生物なので温暖化で分布が広がるわけだ。

俺は個人ではなく、もっと研究内容に焦点が当たっていた方が面白いと感じる。複数の研究者が競ったり協力したり、あるいは研究を引き継いだりする話。