ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:透明人間は密室に潜む

図書館で借りた本。

たいへん面白かった。ノンシリーズ短編集とのこと。

短編というか中短編というか4作品が入っているが、どれも設定と探偵が違う。

透明人間は密室に潜む

透明人間が普通に存在する世界という特殊設定ミステリ。シリアスっぽく書かれているけど、全裸の透明人間が密室で息を殺しているところなんて想像するとおかしい。隠れ場所とかそれに対する推理とかも良くできているし、オチも意外とシリアスだが人生肯定的な感じでよい。

六人の熱狂する日本人

アイドルおたくの話。たいへん面白い。そのくせ推理は妥当で隙がないように思える。素晴らしい。

最後の裁判長の判断は正しいと思う。検察の提出した証拠と弁護側の弁論から結論を出すのは当然ではないか。

盗聴された殺人

特殊能力探偵というか探偵助手というか。聴力が優れているので音から状況を再現できるが、推理力はない助手?と推理力はあるが特殊能力はない探偵?(二人で一人前という描写もあったような)この特殊能力助手のキャラがなんともかわいいというか味があるというか。推理も筋が通っている。

第13号船室からの脱出

これはちょっと分からんかった。脱出ゲームって脱出するゲームじゃないの?なんか犯人あてゲームみたいなんだけど。その脱出ゲームと船室からの脱出が複雑に絡んでちょっと追いきれなかった。脱出ゲームの趣向は良くできていると思う。

この作者、これまで読んだことがなかったと思うけど、これからは他の作品も読んでみよう。