図書館で借りた本。テディベア好きのおしどり探偵もの。
事件の舞台がテディベア・ショー。これはどうもテディベア版の同人誌即売会のようなものらしい。手作りテディベアの即売会。ただし、審査員がいて優秀作品の発表とかもある。
テディベア要素は十分にある(俺はテディベア知らんけど)。おしどり要素はあるけど、どうやら1作目には及ばないらしい。夫婦でベタベタしてるけど、奥さんの活躍が少ない。
ミステリ要素は少ない(俺基準)。
元刑事のブラッドリー・ライオンが探偵役なのだが、これがどうも気に入らない。ダーティ・ハリー風のテディベアを作っているところからすると、ダーティ・ハリーもののファンのようだ。
実は俺はダーティ・ハリーの名前こそ知っているものの、作品を見たことはない。でも、ミステリ映画じゃなくて、アクション映画でしょ?
この小説もパズルミステリでないことは確実だが、それだけでなく、なんか犯人の行動が不可解。というか、読者と探偵をミスリードするためにわざと馬鹿な行動をしているという気がする。
ダーティ・ハリーはともかく、それ以外にもコメディアンとか発表時のアメリカ社会のTV番組とかそんなものがしばしば引用されている。それが探偵役の気取った?セリフみたいになっているのでついていけないという面もある。
ダーティ・ハリーを気取っているので、違法な捜査をバンバンやる。むしろ、ダーティ・ハリー風にするためにわざと法律を犯しているのではないかという気すらする。
探偵役が批判しているミステリのパターン、警察が間抜けすぎる問題を、この作品でそのまま実行しているのは自虐ギャグなのか?
そして探偵がヒーロー気取りなのは、ほぼすべての探偵に共通するし、この探偵自身もヒーロー気取りなのだが、この探偵はまさにそのヒーロー気取りについても批判している。自分を省みないのか。
警察ものと素人探偵ものの悪いとこどりをした作品というのが、俺の感想である。