ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:ベスト本格ミステリ2014

図書館で借りた本。時々思い出したように借りるベスト本格ミステリの2014年版。

水底の鬼:ミステリというより、俺の考えた最高の民俗学的解釈みたいな話。面白くない。

ボールが転がる夏:密室もの。語り手と探偵のキャラクター描写に無駄に枚数を使っている気がするが、密室としては面白い。こういう密室でいいんだよ。

狼少女の帰還:子供が嘘をついているのかという話。語り手と探偵の間だけで謎が解明されるものの、問題は解決していないまま話は終わる。語り手はすっきりしたようだが、読者としてはすっきりしない。

フラッシュモブ:おれはこのタイトルからてっきり全員共犯だと思ってしまったが、そんなことはなかった。軽い。

あれは子どものための歌:悪魔との取引風のファンタジー。取引相手は魔女だけど。これは傑作。しかし、あとから考えると、賭けの対象となる具体的なゲームが必要だったのではないかとも思える。明神しじまの作品を図書館で予約した。これを表題作とする連作短編しか図書館にはなかったけど。

デティクティブ・ゼミナール 第三問 ウェアダニット・マリオネット:探偵試験風のデスゲームか。しかし、設問が理解できなかった。「場所を答えよ、座標で」と言われたら、東経◯度◯分、北緯◯度◯分って答えるんじゃないの? あと部屋は移動可能ということなので、登場人物たちがいる座標と死体のあった座標が同一なのか分からなかった。同じなら、死体は要らないのではないか。いろいろ分からないので、このデスゲームなら一番に死ぬのは俺だ。

黄泉路より:なんか、何が謎なのかと思っているうちに犯人やら事件やらが説明された。地の文で。キャラがちょっと頭に入らなかった。性格がコロコロ変わり過ぎ。

紙一重司法書士の話。地味だがまあ面白い。佳作。

犯人は私だ!:基本的なところは察しがつくが、よくまとまっている。佳作。