図書館で借りた本。
「バレンタイン昔語り」
小学校が舞台の殺人もの。神様の小学生が犯人の名前を告げる。が、読み進めているうちに何か変だなと気付くことになる。そこで神様の言葉を信じるか、疑うか。
「宗像くんと万年筆事件」
小学校が舞台の盗難事件もの。登場人物も事件内容もトリックも小学生向け。児童文学ミステリというべきか。
「田舎の刑事の宝探し」
ユーモアミステリ。でも解くべき謎の本質は明快なので、パズルミステリと言えるだろう。ただ、断崖絶壁といっても垂直ではないと思うんだが。
「絆のふたり」
叙述トリックだが、読んでいて分かりにくい文があり、その文を何度か読み返してしまった。もちろん、そこが叙述トリックになっていたわけ。商業出版だから編集なり校正なりが付くけど、そこは叙述トリックだからという理由で、校正がスルーされてしまったのではないだろうか。
「僕の夢」
オチはあるけど、ミステリというよりファンタジーっぽい。江戸川乱歩もそういうの書くけど。あと、この本の最初の作品のせいもあって、ついうっかり「僕」の性別を当ててしまった。
「青い絹の人形」
死体が盗掘されたとなると、あのトリックと誰もが思うだろう。「私」がプロローグと本文とで別の人間なんだけど、それが叙述トリックか何かになるのかとずっと気になって仕方がなかった。別人だということはすぐに分かるので。
「墓守ギャルポの誉れ」
動機の謎……いや二人の接点は何かという謎か。その点についてはフェアなヒントがあったように思う。
「ラッキーセブン」
インディアンポーカーと大貧民を合わせたような俺ルールでデスゲームをする中での推理。悪魔と寿命の取引をするなら、寿命が変更されるような願いは出来ないのではないだろうか。この願いが可能なら悪魔を出し抜ける気がする。
「機巧のイヴ」
SFが盛んな時代ならSFとして世に出ていたかも知れない作品。一応ミステリっぽいオチはあるけど、SFのオチと見ても問題ない。
「コンチェルト・コンチェルティーノ」
新聞記事がミスディレクションになっているけど、あまりパズルっぽい作品だとは思わなかった。
評論「皇帝のかぎ煙草入れ」解析
元ネタ読んでない。