ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:泥棒は図書室で推理する

泥棒バーニイシリーズは基本的にはニューヨークが舞台なのだが、今回は例外でイギリス風の邸宅での話。例外なのはそこだけではなく、今回は泥棒を依頼されたわけではなくて、自分でターゲットを決めて盗みを働いているイギリス風のミステリのように始まる。有名な「嵐の山荘」ってやつですな。クリスティの「ねずみとり」と「そして誰もいなくなった」を足して二で割ったような、と作中でキャロリンも言っている。
でもこのシリーズはパズルミステリーではないし、作者のローレンス・ブロックもパズルミステリーの作者ではないので、事件捜査の途中でバーニイは、こんなの私のやり方ではないということで、本来の捜査方法、つまり部屋に勝手に忍び込むという方法での捜査に戻る。チャンドラーのパズルミステリー批判なんかも引用しつつ。
しかし、最後のオチは私にとっては強烈であった。レイモンド・チャンドラーを読んでいないし、読んでも気づかなかったかも知れないが、「大いなる眠り」にそんな逸話があったとは。そうすると、ずいぶん前に私が読んで憤慨した清涼院流水のネタもチャンドラーの逸話に基づいたものだったということか。まあ、チャンドラーはパズルミステリーじゃなくて、清涼院流水はパズルミステリーを装っておいてわざとやったわけだから、罪の重さは違うと思うけれど。
話は変わるが、嵐の山荘で電話線が切られた時に、私なんかは切られた電話線をつなげればいいと思うのだが、そういう話にならないのはなんでなんだろう。そりゃあ、電話線じゃなくて光ケーブルとかだったら簡単には繋げないと思うけど、電話線なら同じ色の線を繋げばそれで済むのではないかと。ゴム手袋して作業する必要があるにしても。

 

 

生活:散髪する。

今まではバリカンを使って自分で刈っていたのだが、なんか刈る気がしないと思ったら、新聞紙がないのであった。以前に住んでいたところでは、無料の広告紙みたいなのが週に1度郵便ポストに入っていて、基本的には読まないし、邪魔なんだけど、自刈りするときに下に敷くには便利なのであった。
引っ越してからは新聞を取っていないのはもちろん、無料の広告紙も配られていない。価格的には新聞を1部買ったほうが理容室を利用するよりも安いし、周囲にもたくさんの理容室があって、その中には安いチェーン店とおぼしき店もあったのだが、このUR住宅の1階に古い感じの理容室が入っていて、ちょっといい感じかと思ったので使ってみた。
築50年のURに入っている理容室だともしかしたら出来たときからずっと同じ人がやっていたりするのではないかと思ったが、店主の顔を見ても年齢の判断がつかず、たぶん50歳以上だとは思うが、70歳かというとそれよりは若いような気がした。
何か面白い話が聞けるかと思ったけれど、コロナ下では会話は必要最小限しか出来ないのであった。
そして最後に整髪料だかなんだかを振りかけられてから気づいたのは、私はこれの匂いが嫌いであるということだった。そう、かつて理容室に通っていた時には、整髪料は断っていたのだ。それがしばらく自刈りしていたためにすっかり忘れていて、あの匂いまみれになってしまったのである。

 

 

読書感想:泥棒は深夜に徘徊する

もともとパズルミステリーではないのだけれど、今回は何が起こっているのかさっぱり分からないということに。事件の途中でも、また、最後にバーニイが推理を述べた後でも。偶然要素が多すぎる。そして最後に犯人が確定するところもミステリーとしては悪手だろう。
会話はオシャレだけど、それがデートレイプやレイプドラッグに関する話では、単にオシャレとも言っていられない。
バーニイが狭いところから侵入しようとしてハマってしまったりとか、映像的には面白いところがある気もする。美人が何人も登場するというだけでも映像としては見られるものだろう。
まあ、バーニイの盗癖というか、常習犯罪者というか、泥棒をしないではいられないという性格だか心理だかについてはよくわかった。

 

 

読書感想:泥棒はライ麦畑で追いかける

7/13
読書感想:泥棒はライ麦畑で追いかける
泥棒バーニイシリーズ。軽いネタバレがあるかも知れないが、犯人については書いてない。
今回はバーニイが泥棒に入った先で、死体に出くわして容疑者として逮捕されるという本来のパターン。物語のベースは、サリンジャーのラブレター暴露事件だが、サリンジャーではなくて架空の作家になっている。ちなみにオレはサリンジャーは読んでいない。あんな有名な文学作品なんて、いまさら読む気にはなれない。いいんだよ、オレは娯楽作品専門なんだから。
どうもバーニイが泥棒だということは世界中の人間に知られているようで、様々な人がバーニイに泥棒の依頼に来る。その意味では、依頼を受けて事件を解決する探偵もののパターンに近い。まあ、今回はいろいろな人が同じものを盗んでくれと依頼するわけで、全員の要求を叶えるのは難しいのだが。
そしてバーニイシリーズはどうやらニューヨークものらしく、バーニイの書店やアパートの近くで事件が起こるというか、歩いていける範囲で盗みを働くとか、いいのか泥棒として。まあ、ニューヨークはそこそこ広く、そこそこに狭いというのは、スパイダーマンのゲームをした私の実感である。
バーニイは泥棒なので、容疑者を集めてのバーニイの推理も公的なものではなく、表向きには単なるパーティであるが、途中で警官が容疑者の権利を宣告するので、容疑者の言ったことは証拠採用されるという仕組みである。そもそもバーニイは証拠を捏造するので、バーニイの証拠は裁判で使える証拠にならない。まあ、推理を披露するところだけ見るとパズルミステリーみたいにも見えるのだが、全体的にはそうではくて、うんちくとオシャレな会話のミステリーである。
この警官、レイ・カーシュマンも正義の警官というわけではなく、私腹を肥やすことに熱心だが、すくなくとも殺人事件を解決しようという気はあるようだ。毎回食事と酒を一緒に楽しんでいるレズビアンの親友キャロリン・カイザーは会話の相手としての便利キャラみたいなものだが、その割には好感が持てる。ふたりの会話がいいからだろう。
ラストは私の好み。たぶんこのラストもバーニイシリーズのパターンだろう。なんといっても泥棒だからね。その割に倫理的であるとも言える。サリンジャー事件のサリンジャーを支持する立場なら、このラストには喝采を叫ぶのではないだろうか。
ベッドシーンはあるけど、そのシーンの描写はそんなにない。事実はあるけど描写はないというべきか、それはベッドシーンがあるとは言わないのかも知れない。映像作品にすればそのシーンはあるだろうけど。
ところで、この本を読んでいたら、紙の模様がすごく読みにくくて、ただでさえ老眼なのに、まったくハヤカワもオシャレな紙にこだわって余計なことをしてくれると思ったが、翌朝見直したら模様が入っているのは一部のページだけであった。紙の品質にバラつきがあるのか。

 

 

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近況報告:固定回線工事日決定

近況報告:固定回線工事日決定
ようやく、プロバイダから連絡があって、光回線工事日が決定した。といっても8月中旬。それも選択の余地がまったくなくてその日でダメなら、当面無理でずっと先になるというもの。なんだよそれ。一軒家じゃなくてVSDL利用可となっている集合住宅なのになんでそんなに遅いんだ。東京オリンピック終わっちゃうよ。やるかどうか知らんけど。まあ東京オリンピックは終わってもいいんだけど、7月はまるまる使えないってことで、dアニメストアとかの月額契約が無駄になったじゃないか。特にdアニメストアで夏アニメが見られないのはつらい。
遅れた原因の一つは紛れもなくNTT西日本にあるのだが、どうも私の契約しているプロバイダにもミスがあったのではないかと疑っている。7月になって「どうなっているんだ」と催促してから二、三日して工事日を伝えてきたので、それまで何らかの理由で放置されていたのではないかと思うのである。
そして6月はスマホを使いすぎたが、固定回線があるからとスマホの契約が最小契約だったので、どんだけ請求が来るのか怖い。翌月から契約変更が可能なので7月は間に合わず、8月からならギガプランに変更できるのだがどうしたものか。
ネットカフェでdアニメストアのダウンロード機能を使ってタブレットにダウンロードしてアニメを見ていたのだが、それが出来たのは2回くらいで、ゾンビランドサガを見るのにはぎりぎり間に合ったけれど、その後はこちらのタブレットMACアドレスかダウンロード先のIPかなにかを規制されてしまって、ダウンロードが出来なくなった。その煽りをうけてタブレットkindleアプリがおかしくなり、ダウンロードどころか起動時にエラーを吐いて既に端末にダウンロード済みの本も読めない状態になってしまった。kindleについては、macにもkindleアプリが入っているのだが、これも回線が繋がっていないせいか、起動しない。こっちはしばらく使ってなかったので、OSアップデート後のアプリ検証でネット接続できなくて起動しないのではないかと推測。それはともかく、ネットカフェでアニメのダウンロードが出来ないので、ネットカフェではすでにテキストで書いてある記事を元にしてのブログ更新のみにして使用時間を節約することにした。
図書館にはwifiはなくて、無料wifiが使えるのはセブンイレブンくらい。近くにある国際的観光地に行けば、無料wifiが使えるのかも知れないが、ここのところいきなり豪雨になったりするので、そこまで行く気もしない。ところで梅雨は明けたのだろうか?
ネットが使えないせいか、読書が捗る。というか、集中して本が読めるというか。そのせいか本が面白い。そして腰が痛い。ずっと座って本を読んでいるからか。

 

 

読書感想:お嬢様にしかできない職業〜公爵様の婚活事情〜

タイトルはよいが、エノーラ・ホームズを読んだ後では、難が目立つ。職業が情報屋といっても、芸能記者みたいなものだし、物語の冒頭からその情報には信頼性がない。いろいろなところにこっそり入り込んだりしているけれど、それで情報を得たという描写はなく、お嬢様方から聞いたか、妹のミレニアから聞いただけ。職業と言うには能力が低すぎる。貧乏貴族とか王宮の人間関係とかもテンプレで面白みがない。恋愛関係がテンプレなのはジャンル小説の宿命なので仕方がないにしても。

 

 

読書感想:エノーラ・ホームズの事件簿〜届かなかった暗号〜

下宿の女主人が誘拐されるという話。晩年のナイチンゲールが登場。当時の女性の立場を描きながら、主人公は先進的な思想を持った女性(14歳の女の子)という設定だが、先進的な思想を持った大人の女性として、この時代にもナイチンゲールがいたことを忘れてはいけない。シャーロックの女性に対する古い考えを改めさせるには、ナイチンゲールの言葉が必要だったのかも知れない。
そろそろ変装のネタが尽きてきた感じがする。変装してシャーロックに会うたびに、もうこの変装は使えないと使い捨てにするのでネタが無くなるのも無理はない。シャーロックの能力を高く評価しているので、どうしてもそうなってしまう。そして毎回シャーロックが登場するのも、この手の話としては仕方がないので、難しい。
今回はマイクロフトが話をまとめるのかと思ったが、そうはならなかったので、このシリーズではマイクロフトは損な役回りに決定しているようだ。
訳者あとがきによると、もう1巻あるようなのだが、この図書館にはないのかも知れない。エノーラホームズ最終巻の6巻は果たして出版されたのか、図書館にあるのか?

ググったらどうやら最終巻は、訳されていないらしい。なんということだ。傑作シリーズなのに。