昔、現代日本からこの世界に転移してきたおたく男がいた。京の都に住むのはつらくなったので、東の方にやってきた。
信濃の国の浅間山に噴煙が上がっているのを見て、観光名所の案内ブログみたいに短歌を書いて一丁アクセス数を稼ごうかと考えた。
信濃なる浅間の嶽にたつ煙をちこち人の見やはとがめぬ
信濃の国の浅間山から立ち上る煙はたいへん目立つので、あちこちの人が火事だと騒がないだろうか。それほどすごい煙が上っているので観光に来るといいですよ。
「とがめる」とか言っても、何も悪いことしてないし、後ろめたいこともないので、反省はしませんよ。悪いことをして逃げてきたのではなくて、悲しくて居られないからこちらに来ただけです。私は悪くない。
アクセス数はともかく、観光名所を歌に詠むとみんなが行ったことのない土地を想像することで楽しめるのであった。