ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:あなたの小説にはたくらみがない

図書館で借りた本。

「超実践的創作講座」という副題がついているが、「超実践的」ではないと思う。

編集者の書いた小説の書き方の本なんだけど、対象読者のレベルが高い。俺の印象では、新人賞の最終選考に残るような書き手向けの本。(図書館で借りたので気づかなかったが、amazonの書影の帯にも佳作止まりって書いてあった)

一応キャラクターの重要性については言っているが、ステレオタイプなキャラクターとか役割語尾とかには否定的である。

起承転結よりも三幕構成、ダブルクライマックスがよいと言っている。

それからいくつも例が上がっているが、なんと俺はそれらの例に挙げられている小説をほとんど読んでいないのであった。かろうじて宮部みゆきを読んでいるくらいだ。ミステリでも本格ではない系統のミステリが多いようだ。

いろいろと俺には合わない本であった。

テーマが重要と言っている。俺はあまりそう思っていないのだ。例えば哲学的なテーマが最後に示されるのはよいと言っているが、おれはそういう小説が嫌いなのである。薄っぺらい哲学を語られてもなぁ。あと同時代性が重要と言っているが、おれは同時代性も嫌いなんだよなぁ。これも薄っぺらいワイドショー的な関心みたいで。

時代物で作者独自の歴史解釈みたいなのも嫌い。歴史学者の努力を無視するみたいで。

という訳で俺には合わない本であったが、最大の理由は対象読者のレベルに俺が達していないことにある。

 

やはり編集者の書く小説の書き方よりも、小説家の書いた物の方が面白い。そう小説家の書くものは小説家だけあって、読んで面白いのだ。役に立つかどうかはともかく。