ドートマンダーシリーズ。
ドートマンダーは計画を立てる人なので、通常は仲間(主にケルプ)が見つけてきたうまい話の細かい計画を立てる。ケルプが見つけてくるのはうまく行けば儲かるが、警備が厳重など盗みをするには困難があるので、そこをうまくいくように計画を立てるのがドートマンダーの役目である。実際、ドートマンダーの立てる計画は優れている。実行時にはうまく行かないことが多いが。
今回ケルプがドートマンダーを誘ったのは、そういう盗みではなく、ケチな犯罪だが報酬はそこそこいいというもの。墓の中の死体(棺)を入れ替えるという仕事だが、報酬をもらう代わりに殺されそうになる。そこからネイティブアメリカンの権利にまつわる詐欺に加担することに。
そしてドートマンダーシリーズも長く続いたために、今回はインターネットが登場する。ケルプが引き受けた仕事もインターネットで知り合った相手から誘われたもの。2001年の作品だ。ドートマンダーはインターネットのことはまったく分からずにケルプに任せっぱなし。留守番電話も嫌っていたからね。
常に相手を上回る知恵を発揮しているにもかかわらず、うまく行かないのは、かわいそうになってくるくらい。特に相手の目論見を見破って先手を打ったのに、相手のドジで失敗するのはやはり運のないドートマンダーらしい。
タクシーの運転手のマーチのママが、天然というかいいことをしてしまう。
今回もあまり儲からないドートマンダーだった。