ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:ページをめくれば

ゼナ・ヘンダースンピープルシリーズは昔好きだった。この作品集もほとんどが子供と女教師の話である。ただ、ホラー系の話もあるのですべてがほのぼのしたものという訳ではない。
しかし、昔ほどには楽しめなかった。異質なもの(エイリアン)としての子供という考え方よりも、そもそも他者はみな異質だと感じるようになったからだろうか。その一つとしてはこの作品集の主な舞台であると思われるアメリカ南部がすでに異質な地域であるように思えからだ。トランプ大統領を経験した世界から見れば。昔は、ゼナ・ヘンダースン的な世界を古き良きアメリだと思っていたのだが、そうではなくてそれは南部なのだ。同じような時代でもニューヨークはぜんぜん違う世界なのだから。
そうするとキリスト教的と言われるゼナ・ヘンダースンも、南部のキリスト教原理主義の匂いがするのではないと思ってしまう。作品自体が悪いわけではなく、私の好みが変わったのだ。あるいは私が年を取って偏狭になったせいかもしれない。