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雑記:アイスクリーム課題、ジョンはどのくらい賢いのか?

togetter.com

ジョンがどのくらい賢いのか分からないとこの問題は解けない。ふつうの人は自分の知識に引っ張られるはず。現実社会なり、ネットなりを見ていれば分かることである。

しかし、この手の問題では、登場人物は賢いと仮定する必要があるらしい。ジョンは賢い。そしてよそ者ではなく、その地域に暮らしているので公園と教会の位置関係は知っている。

この問題の中に示されているメアリーの家は公園から教会に行く途中にあるということが重要である。お金を取りに戻るのはメアリーの家が公園から近いからであろう。ジョンは自分の家がどこにあるか知っているが、読者は知らない。

さて、スマホのない時代に人に会おうとするときに、点で探すのは愚か者である。人は移動し続けるので、人を探す時には行き違いにならないように線で探すということが賢い人間が取る当然の行動である。

ジョンはメアリーがお金を取りに家に行って公園に戻ってくると思っているのだから、メアリーの家に行く際に、公園を通って途中でメアリーに会うことを期待しながらメアリーの家に向かうはずである。これが賢い人間の行動(この道のりがすごく遠回りの場合は例外である)。つまり、ジョンがメアリーの家に着いた時には、既に公園からメアリーの家までの間でメアリーに会わなかったということである。

次に賢いジョンが考えることは、アイスクリーム屋は教会に向かう途中でメアリーの家の前を通ったはずだということである。道の途中にあるのだから、この推理は当然である。すると、アイスクリーム屋とメアリーが会っている可能性を考えるのは当然である。

この時点でメアリーがアイスクリームを買っていなかったとしたら、アイスクリーム屋とメアリーが会ったのはメアリーが家に入る前ということになる。メアリーは公園にいるはずのアイスクリーム屋に会ったらどこに行くか聞くはずだとジョンは考える。そして教会に行くという答えを得るはずだ。

公園を通ると(ちょっとではなく、すごく)遠回りになる場合、つまりジョンの家は公園からかなり離れているということになる。公園の近くなら少し遠回りでも公園を通ってメアリーの家に行くほうが確実だからである。この場合には時間を考える必要がある。

メアリーが公園から家に戻って、しばらくしてからアイスクリーム屋が公園を離れ、さらにしばらくしてからジョンが公園から家に戻って、宿題をしようとしてわからないところに気がついた。これはかなり時間が経っている。しばらくが10分だとしても30分は経っている。ここから更にジョンがメアリーの家に行くのに時間がかかっている。1時間くらい経っているのではないか。メアリーが家に戻ってから仮に公園に行ったとしたら、公園にはアイスクリーム屋がいないということをメアリーは気づいたはずである。メアリーは公園にはいないだろう。メアリーとアイスクリーム屋が会ったという推理はこの場合でも可能だから、教会に向かうのは一つの手であろう。

ところで、メアリーはなぜジョンにお金を借りなかったのか。宿題を教え合うような関係なら、小銭の貸し借りくらいするはずだ。それはメアリーはジョンを嫌っていたからではないか、そうでなくともお金を借りるほど親しくはないということではないか。ジョンは賢い(という仮定がある)はずなのに、宿題でわからないことがあるというのはメアリーに会う口実なのではないか。いや、ジョンがメアリーに好意を持っているならやはりアイスクリーム代を貸すとか奢るとかするだろう。少なくともそういう提案はするだろう。

するとジョンがメアリーの家に宿題を教わりに行ったのはメアリーに会うための口実ではなくて、メアリーのお母さんに会う口実だったのではないかという推理が成り立つ。ジョンのメアリーのお母さんに対する好意にメアリーは気づいていたので、ジョンのことを遠ざけていたのである。だからお金を借りなかった。ジョンは宿題を口実にメアリーのお母さんに会いに来たので、メアリーがいないと聞いたときに言うのは「メアリーが戻るまで待たせてもらっていいですか?」という言葉であろう。