うーん、どうしても蛇足という気がしてならない。何が気になるかと言うと、まず脳科学という言葉だけでかなりダメな印象があるわけだよ。少なくとも日本の俺にとっては。でもまあ、それはフィクションだからフィクションとしての脳科学と考えればいいのだけれど。
もっと気になるのは、岡部倫太郎が優秀とされる点である。オカリンがあんなに優秀な訳がないのだ。中二病というのは、ありきたりの自分を特別な能力を持った人間と考えることなのだが、そのギャップが重要なのである。無印シュタゲのよいところは、特別な能力は持っているけれど、それは直接問題解決には役に立たなくて、ダルや牧瀬紅莉栖がいないと何も出来ないオカリンが頑張る点にあると思うのだ。力のない人間が能力のある人間の助けをかりてむちゃくちゃ頑張るのがよいのである。失敗して感じる無能感を乗り越えるところがよいのだ。厨二病的虚勢だけで科学的実力のないオカリンだからいいのだ。
まあ、でも最後まで見てしまったわけだし、時間の無駄だということもない。またオカリンや牧瀬紅莉栖に会えたというのはよかった点である。しかし、それは無印シュタゲの良さに依存しているのであって、ゼロがよかったからではない。とはいえ、続編で無印の世界観をぶち壊しにする作品もなくはない中で、これは世界観を壊すという程ではない。オカリンも優秀と言われているだけで、実のところ科学者として優秀なところは欠片も見せていないのだから。