超有名なミステリーである。しかし、読んでいなかった。そして残念なことに、読んでいないながらも基本的なトリックについては知っていた。だって、その手のトリックの元祖とも言えるものだからね。
で、これは、市立図書館の電子図書館というので借りて読んだのである。電子図書館の使い勝手を評価してみようという意味もあったのだ。とはいうものの、既に電子図書館では「岡っ引きどぶ」を借りて読んでいたのではあるが。
そして、市の電子図書館に入っている本はほとんどが、グーテンベルク21というところが電子書籍化したもので、ABC殺人事件も訳文が古いような気がする。(上のamazonの商品とは関係ありません。単に作品紹介で貼っただけ)
英語のCRAZYとそれに対応する直訳日本語では多少重さが違うのだろうが、連発されてます。まあ、確かに予告殺人なんかするのは、CRAZYな訳ですが。
まあ、訳文が古いということを除けば、電子書籍の使い勝手は悪くない。電子書籍といっても、ブラウザで縦書き表示するだけなんだけどね。標準の文字が(パソコンディスプレイで見る分には)そこそこ大きいので老眼でも大丈夫。一方、ブラウザ閲覧なので、ネット環境がないと読めない。まあ引きこもりの俺にはあまり影響はないが。で、ABC殺人事件ではそういうことはなかったのだが、三国志とかでは出ない漢字があって、そういうところは何偏に何とかいう表記になっているので極めて読みづらい。青空文庫形式というべきか。一方、紙の図書館は年末年始休業しているのに、電子図書館はその間も利用できるのが便利である。
内容に戻る。実を言うとこの名作を読んでいなかった理由のひとつは、私がポワロの人物造形をあまり好きではないというのがある。ミス・マープルの方が好きなのだ。でも、この作品のポワロは引退後のカムバックという状況のせいか、結構癖が少ないように思えた。訳文のせいかもしれないが。