登場人物紹介に「第1話の犯人」とか書いてある。倒叙というわけでもないが、最初の1ページに犯人の行動が書いてある。
これはホワイを問うミステリーだとこのブログに書こうと思って読んでいたのだが、巻末の解説(神保泉)にはっきりと書かれていた。ホワイと言っても殺人の動機ではなく、犯人の取った奇妙な行動(1話ではピザを食べたこと)の理由を推理することがメインである。それは動機とは違って、合理的な必然性がある。
私は犯人の動機を推理するミステリは嫌いだが、こういうホワイなら歓迎である。
そしてまた、意外だったというか、私が勝手に騙されたのは、探偵は誰かという謎である。つまり、ミスディレクションとして間違ったことをいう人ではなくて、事件の真相を語るのは誰かというのが一つのポイントだと思うのである。ミスディレクションとして誤った推理を披露すると言うのはミステリでよくあることなので、そこを利用して、誤った推理と思わせて実はそれが本当の推理というのは、ミステリの手法としてありかも知れない。
ところで、第三話の作中劇のストーリーをなんとなく読んだ記憶があるのだが、なんだっけと思ったら「瑠璃玉の耳輪」だった。
瑠璃玉の耳輪の感想記事を貼り付けようとしたけど、検索にひっかからない。えっ、書いてないのか、俺。