ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:キドリントンから消えた娘

モース警部シリーズの2作目。

うーん、トリックというよりも、作品の雰囲気が好きになれなかった。下品なんだよね。1作目も下品だったけど。1作目と同様に下品。不倫なんて殺人に比べれば大したことないという考えもあろうが、どうにも下品な感じがして仕方がない。

ミステリとしては、解の一意性にこだわらないところに問題があると思う。たとえば、数独なら正解はひとつだけになるようにパズルを作らなければならない。ところが、クロスワードパズルは、パズル制作者が解の一意性に気を配らなくても、だいたい解は一意になるようだ。いや、知らんけど。単語を規定するものが多いから。

ミステリの場合は、殺人にしても通りすがりの犯行ではないということをまずきっちりさせておかないとパズルミステリーにならない。

しかるに、このシリーズの探偵であるモース警部は、そう考えると辻褄が合うからそうに違いないと考える。その考えがいくら辻褄が合っても、それ以外の考えもやはり辻褄が合うかも知れないのに。

突拍子もない推理だが、どうも説得力がない気がする。モース警部の妄想が実現する特殊な世界の話のようだ。ちょうど今やっているアニメの「陰の実力者になりたくて」が主役の妄想が実現する特殊な世界であるように。こっちも特殊な世界であるという説明がないので、ちょっと引っかかるんだけど、そもそも異世界って妄想が実現するところだよねという前提があると思えばそれなりに納得できる。

世界の下品さというのは、1作目から男女関係が下品なんだよなぁ。倫理観がないというよりも、なんというか、実話読み物的な世界というか。これも俺の好きなドートマンダーシリーズでは、登場人物たちが頻繁に車を盗むのだが、それに対してはあまり倫理観がないという気がしない。泥棒だからというか、生活のためだからというか、アメリカっぽいというか。さらに、これまた俺の好きな泥棒バーニィも車を盗むが、これなんてレンタカー感覚で盗んで、お仕事(泥棒)に使って、終ったら返しておく。ずっと駐車しておくと駐車違反になるから、その方が親切なのだ。いやそんなわけないけど。

俺が特に、実話読み物的な話が嫌いというのもある。先月からサブスクで漫画を読んでいるが、なんとジャンルに「ドロドロ系」というのがあるのだ。嫌になってしまう。

 

 

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