やる気のない創作。
令和時代に新しい味覚が発見された。それは「絶品」。そしてその味覚を刺激する化学物質が合成され、商品として販売された。その名も「令和味覚革命:絶品さん」
この化学調味料を少量混ぜるだけで、どんな料理も「絶品」の味がするのである。
「これは絶品!」
「まさに絶品としか言いようがない!」
「絶品ですね」
料理評論家が、料理レポーターが次々に的確に評価した。
そして漫画やアニメやラノベやなろう小説などのフィクションにおいても絶品さんの使用は料理の前提になった。
「絶品など味覚ではない。絶品調味料など認めない」
頭の硬い料理人がいくらそう主張しても、絶品さんの販売量は増加を続けた。家庭料理も絶品、手抜き料理も絶品、インスタントも絶品、ありとあらゆる料理が絶品になった。
オチを考えるのが面倒なのでオチはない。