ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書途中:休眠の昆虫学

難しい本です。総説ではなくて各論というか、個別の昆虫の休眠について、かなり専門的なことが書かれている。論文集というのが近いかも知れない。

どうも昆虫の休眠は独立に何度か獲得された形質らしい。しかし厳しい季節を生き抜くという目的は同じなので同じような形になるということらしい。

それはさておき、私はこの本で自分の勘違いを知りました。休眠とは動かないことではなくて、発育が止まるということであると。そりゃ、そうか。だって卵は基本的に動かないわけだが、卵で休眠する場合と、休眠しない場合があるのだから。

発育が止まるというのは、卵なら胚発生の段階が止まるということであり、成虫なら(主に)性成熟が止まるということらしい。したがって、成虫なら休眠状態で動き回って餌を摂るということもある。

個別の昆虫の休眠について研究者が研究成果を記述しているが、明確な結論があるわけではなく、調査の結果分かったことが書かれているだけなので、読んでもあまり分かった感がない。でもそれでいいのである。分かった感は危険。

 

休眠の昆虫学―季節適応の謎

休眠の昆虫学―季節適応の謎

 

 なぜ、私がこんな本を読もうと思ったかと言うと、食物連鎖のピラミッドというひどい概念に反論するために、昆虫は捕食されなくても冬に死ぬという主張をしたいからである。それとは別に、摂食や捕食が悪い訳ではないということも主張して行きたいのだが、それが悪いことだというのは宗教的信念だと思うので、そっちは難しい。