ゲーム原作アニメには、陥りやすい罠があると思うのである。ゲームの世界にはいろいろ詰め込まれていて、それを長時間でプレイし、世界観を少しずつ理解していくようなところがあると思うのだ。しかし、アニメにするときにゲームに詰め込まれた多くのものを全部入れようとすると、散漫な印象になるというか、話の中心がわからない。ゲームをプレイ済の人には分かるんだろうけど。
このアニメも作画が特別悪いということもなく、話の要素も個々にはいいところがあるんだけど、全体としてはどうにも評価し難い。たぶん、話の中心は一人の男を巡る三角というか四角関係なんだと思う。まあ、それ自体が悪いわけじゃない。義肢少女も絡めてもそんなに悪くないんだけど、そうするとそれ以外の要素が中途半端である。フレンダー少女がなんとも活躍しない。軒轅剣も凄そうだったのに、最後のシーンでは瓦礫すら切れない。それとも、あれは軒轅剣じゃなかったのか。作画も見られる程度でそんなにいいわけではない。特に、黒火の鎧の飛行シーンとかなんとも見栄えがしない。
義肢少女も俺としてはありかなとも思うが、現代のゆるいアニメファンにはちょっときつい話だよなぁ。嫉妬とか心の闇とかめんどくさいし。心理的リアリティなくてもいいから、もっと健気な少女であってほしかった。