dアニメストアで、あらすじを読んだときには面白いかもと思ったが、実際に見てみると残念なものだった。
異世界転生ではないものの、JRPGギャグっぽいのだが、どうにも笑えない。主役のドラゴンが情けない性格で、これを笑うのは弱者をあざ笑うようでとても気持ちが悪い。
絵もギャグ調ではなく、かといってカッコいいわけでもなく、なんかもっさりしたドラゴンである。動きも声もキレのあるギャグでもないし、とぼけた味わいでもない。
ゲーム原作のアニメらしい。
内容紹介文からの判断では見ないつもりだったのだが、1話の窓から入ってくるボーイッシュな女の絵が良かったので、見てみることにした。
まあ、女の子だらけだったので1話の最後までなんとか見られたが、窓から入ってくるシーンが一瞬の輝きだったのみであった。たぶん、まどマギを意識したのであろう異界描写は、アニメ巌窟王を思い出させるものだった。いや、巌窟王と似ているわけじゃないけど、肯定的なまどマギよりは、どちらかと言えば否定的な巌窟王を思わせるという意味です。
それに俺は心の悩みとかそいうの好きじゃないから。
anime.dmkt-sp.jp百合要素はあるみたいだけど、キャッキャウフフではない暗い百合の気配を感じる。
男子新体操のアニメ。
男子新体操知らなかった。それに新体操の団体競技も知らなかった。
今期、マイナースポーツ多いな。女子サッカーはマイナースポーツと言っていいかどうか少し悩むけど。
絵面的にダメかもと思ったが、見てみたらそんなことはなかった。ある意味ではフィギアスケート(または前期のスケートリーディング)に近いのかも知れないが、違うところは主人公が素人という点である。フィギアでは素人を主人公にするのは難しい。(小学生が主人公になってしまうし、そんなに急には上達しないだろうし)
しかしバク転だけなら体操でもいいんじゃないかという気もするが。体操も低年齢化しているような気もする。かなりする。
でも団体競技で素人が主人公というのは恐ろしい。我々運動が嫌いな人間が最も恐れること、チームの足を引っ張るという事態が発生しそうだからである。特に新体操団体競技は怖い。人数が減ると減点されるということは、人数が多いと採点上不利になる点があり、それをカバーするためと考えられる。つまり全員がシンクロしていることが採点のポイントのひとつなのだろう。
おそらく主人公を除いた5人で出場するのが一番有利なのではないだろうか。でも主人公だからそういう話にはならないで、足を引っ張ってしまうんだろうと考えると今から恐ろしい。
前のGRIDMANもそうだったけど、こっちはより一層、実写ドラマっぽい気がする。(いや、実写ドラマ全然見てないけど。邦画っぽいというか、邦画っぽいアニメっぽいというか。いや、邦画も邦画っぽいアニメも全然見てないけど。でも、俺の危険センサーが鳴り響くんだよ。)
そしてロボットは合体変形おもちゃみたいだし。いや、GRIDMANも最後は合体変形になったけど、こっちは最初から分離合体をしたので。
で、俺はドラマも合体変形ロボットもどちらも苦手というか。
そりゃあ、特撮だって実写ドラマの一形態なんだから、実写ドラマやるのは当然だよなぁ。それとは別に実写ドラマっぽいアニメも人気あるみたいだし。
なかなかツライ時勢になってきた。
ジャック・ヴァンスの短編集。実に素晴らしい。
宇宙探偵となっているが、トラブルシューターという設定らしい。もっとも、事件解決を依頼されて仕事をする話だけでなく、個人的な理由で行動する話も含まれている。マグナス・リドルフは白髪白髭の老紳士にして頭脳明晰なくわせもの。ヤギ髭なのに、ヤギと言われると少し機嫌を損ねる。
冒頭の「ココドの戦士」が素晴らしい。これを読んだ時は訳者あとがきを読む前だったので、発表年が1952年だということを確認していなくて、もっと最近の作品かと思った。ココドの戦士では1.依頼を達成している、依頼とは別に2.金銭的利益を得ている、たぶん3.現地種族の幸福に寄与している。という活躍だが、何よりも、価値観の逆転があるのがSFらしい。
あとがきによるとマグナス・リドルフはアモラルな人間だそうだ。そうそう、宇宙にまで20世紀西欧社会のモラルを持ち込まれても興ざめである。
「ココドの戦士」異星で種族間の戦闘を観光客相手の賭博にしている業者の賭博をやめさせて欲しいという道徳的価値観保存機構からの依頼を受ける。
「禁断のマッキンチ」横領犯の正体を突き止めるよう依頼を受ける。
「蛩鬼乱舞」個人的な話。農地を購入する。
「盗人の王」個人的な話。鉱山の採掘権を得ようとする。
「馨しき保養地」保養地を襲うモンスター対策を請け負う。マグナスはちょっと怒っているような気がする。ちょっとじゃないか。
「とどめの一撃」殺人事件に巻き込まれて解決する。この事件では金銭的利益を得ていないようだ。
「ユダのサーディン」友人に頼まれてビジネス上のトラブルを解決する。この事件ではかなり肉体的に冒険をする。そして道徳的な結末になるかと思いきや、やっぱりアモラルな結末だった。意外にも余分な金銭的利益を得ていないようだ。オチの強さがある。
「暗黒神降臨」依頼を受けて労働者消滅事件の謎を解く。
「呪われた鉱脈」依頼を受けて殺人事件の謎を解く。発表順では第一作。ヴァンスが短編集に入れることを長いこと拒んでいた作品。この短編集のなかでマグナスの行動が最も道徳的な作品。
「数学を少々」個人的な理由で賭博に手を出し、胴元に狙われる。同じく長いこと短編集に入っていなかった作品。賭博で金銭的利益を得ているものの、犯罪者逮捕に利益の一部を使っている。
やはり、アモラルな「ココドの戦士」と「ユダのサーディン」がいい。