図書館で借りた本。2015年発行。
数学セミナーの連載が元になっているようで、甘く見ていると結構難しいところがあるが、面白かった。古代の計算や作図の例があるので、それを辿ってみるのも面白いだろう。
前書きにも書いてあるが、この本の新しいところは、
俺にとって新しい知識は、
- 古代中国の算木には赤と黒の二種類があって、赤が正の数、黒が負の数を表していた
- 位取り記法は古代バビロニアからあり、ゼロの代りに空白を使っていた。インドではゼロを位取りに使う上に、0+a(他の数)=a, 0×a=0 のようなゼロの計算法則が知られていた。ただし、ゼロで割るところは間違っていた
他の本とこの本の著者の違うところ。俺の勘違いもあるかも知れない。
- デカルトの業績を、xy座標よりもa,b,c...を定数、...,x,y,zを変数とする表記法と関数の考えの萌芽としているところ
- 集合論について書かれていないところ。たぶん、19世紀後半になると書くことが多すぎるので省略したと思われる