図書館で借りた法廷ミステリーアンソロジー。
「逆転の切り札」はアンソロジーとしてのタイトルで、このタイトルの作品がある訳ではない。
実は阿津川辰海で検索して借りたのだが、阿津川辰海の作品は読んだことがあるものだった。
六人の熱狂する日本人:阿津川辰海のバカミス。真面目な法廷ものの中にこれがあるのは際立つ。
置き土産:生活保護の補足率が低いことを前提とした話。既に門前払いを食らっているか。
偶然と必然:自白重視と有罪率99%(という闇)を前提としながら、検察官の冴えた手口を描く傑作かも。
弁護側の証人:ろう者と手話の話が主だが、弁護側の証人というタイトル(もちろんクリスティの検察側の証人が元)に恥じない構成。ただし、実情を知っていれば一発で分かるとは思う。
口癖:離婚調停の話。叙述トリックっぽい気もするし、イヤミスっぽい気もする。